写真●ブランドをテーマに自社イベントで講演する三木谷浩史社長
写真●ブランドをテーマに自社イベントで講演する三木谷浩史社長
[画像のクリックで拡大表示]

 楽天は2013年7月3日、都内で年に一度の「楽天 EXPO 2013」(東京会場)を開催した。この場で三木谷浩史社長が「ブランド」をテーマに講演(写真)。これからは「マイクロブランディングの時代だ」と切り出した。

 楽天のショッピングサイト「楽天市場」は、大小4万もの店舗から成る集合体である。「単一店ではなく、集合体のブランドがヤフーやグーグルを上回った。店舗さんがヒーローだ」と語り、会場に詰めかけた大勢の出店者を持ち上げた。

 これは6月28日に日経BPコンサルティングが発行した報告書「Webブランド調査2013-春夏」の結果を引用したものだ。同調査で楽天市場は、2位のYahoo!JAPANと3位のGoogleを押さえて、首位に立った。

 さらに三木谷社長は、普段あまり言及してこなかったという「楽天会員の2サービス以上の利用率」の推移をグラフで示した。

 楽天には楽天市場だけでなく、楽天トラベルや楽天ブックス、楽天証券など、楽天と名の付くサービスが複数ある。海外のサービスも今後は、基本的に楽天ブランドに統一していく。これらのサービスを既に2サービス以上利用している楽天会員の割合は、2011年3月に46%だったのに対し、2013年3月には53%と過半数を超えた。これが楽天ブランドの強さであることを強調した。

 今後は日本から海外に商品を販売していくことを出店者に強く勧め、「楽天のプラットフォームはマルチリンガルに移行していく」と明かした。直近の2013年5月には、日本から海外への販売(流通総額)が前年同期比で322%と急増したと説明。「日本から海外への販売が全流通総額の30%を占めるところまで持っていくのが目標だ」と語った。

 出店者にとってのブランディングの切り札として、三木谷社長はビデオ映像を使った販売を挙げた。「YouTubeマーケティングとでもいうべき販売手法が世界的に広がってきている。出店者のみなさんも、ぜひ世界を相手にトライしてほしい」と促した。