写真1●Leafの京都カメラ(起動画面とカメラ画面)
写真1●Leafの京都カメラ(起動画面とカメラ画面)
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写真2●Leafの京都カメラ(スタンプとフレーム)
写真2●Leafの京都カメラ(スタンプとフレーム)
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 岩手県上閉伊郡大槌町の一般社団法人KAI OTSUCHIは2013年7月3日、京都のリーフ・パブリケーションズと、京都観光用iPhoneアプリ「Leafの京都カメラ」を開発、App Storeで無償提供を開始した。関西大学などが復興支援として行った研修により、地元の未経験者がアプリ開発を習得。初の受託案件としてリリースした。

 KAI OTSUCHIは、関西大学と大槌町による東日本大震災からの自律的復興支援プロジェクトSHIP(Sledge Hammer Inspiration Project:「すすめ!大槌プロジェクト」)から生まれた社団法人。SHIPは大槌町にIT人材を育成して雇用を創出することを目的としたプロジェクトだ。KAIには「会」「海」「櫂」の意味が込められている。「海外へのオフショアではなく、日本の地域へのニアショア生産の新しいモデルを構築し、東北地方の沿岸部に大きな新産業を生む第一歩としたい」(SHIP)。

 2012年7月に関西大学と大槌町が連携協力協定を締結し、同年8月より大槌町の公民館で、地元のアプリ開発未経験者に対する研修を開始。関西のアーティフィス、アプリルの2社が無償で協力した。関西から講師が赴いての研修、eラーニングでの研修、Skypeでの面談などによる4カ月間の研修を実施。2013年1月には初のiPad絵本アプリ「インディアンの森」をリリースしていた(関連記事:被災地大槌町の未経験者がiPadアプリを制作・公開、関西大学などが研修支援)。

 この研修生の中から、「Leafの京都カメラ」を中心となって開発した三浦理恵子氏ら2人が人KAI OTSUCHIに正職員として就職。また、ほかにパート職員6人の雇用を生み出している。

 今回の開発は、KAI OTSUCHIの活動を知ったリーフ・パブリケーションズが、復興支援として開発を委託したことにより実現した。リーフ・パブリケーションズは、京都・滋賀のグルメ情報を中心とした月刊タウン情報誌「Leaf」を発行している。

 「Leafの京都カメラ」は京都観光の記念となる旅の思い出を撮影できるカメラアプリで、フレーム・スタンプ・ラクガキなどの機能、FacebookとTwitterと連動する機能、iPhone本体を振って写真が撮影できる機能を備える。フレームには、京都タワー、清水寺、下鴨神社、伏見稲荷大社、平安神宮など京都の観光名所がある。スタンプは京都を連想させるオリジナルのもの。外国人観光客の利用を想定し、日本語だけではなく英語にも対応している。

 今後はアップデートでフレームやスタンプを追加したり、観光地紹介コンテンツを増設していく予定。また京都の大学と協力し、フレーム・スタンプの追加を作品披露の場として活用できるようにしていくとしている。