写真●米フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグ氏
写真●米フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグ氏
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 米フェイスブックのCOO(最高執行責任者)であるシェリル・サンドバーグ氏が2013年7月2日、全米でベストセラーになっている自著『LEAN IN(リーン・イン)女性、仕事、リーダーへの意欲』(日本語版は日本経済新聞出版社)を引っ提げて来日し、記者会見を開いた(写真)。

 サンドバーグ氏は「LEAN INで3つのことを伝えたかった」と切り出した。

 1つめは「女性はこうあるべきだ」という枠組みを外すこと。2つめは企業の運営方針を変えること。つまり、女性社員が母親になっても働きやすい企業体質を作ること。そして3つめは、家庭における(男性と女性の)役割分担を変えること、である。

 「私も出産後に働き方を変えた」とサンドバーグ氏は自身の体験談も話した。もっとも「日本の長時間労働は世界的に見ても突出して高いことを私も認識している」。それでも「一歩踏み出してほしい(LEAN INは一歩踏み出すの意味)」とエールを送った。

 LEAN INに対し、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が「この本はとりわけ男性に読んでほしい」とコメントしていることについて記者がサンドバーグ氏に質問した。するとサンドバーグ氏は「マークも私も働き方の認識が変わった。私自身、マークと出会っていなければ、この本を書かなかっただろう」と発言した。

 LEAN INの発売後、フェイスブック社内では「性別の問題に対してオープンに対話ができるようになった」という。

 日本でもサンドバーグ氏の考えに賛同してくれる企業が出てきているとし、昨日はKDDIを訪問してビジネスと女性活用について議論。社長や女性社員と交流を持ったことを明かした。

 なお、サンドバーグ氏は同日夜に東京・渋谷で開かれるシンポジウム「グローバル・ウーマン・リーダーズ・サミット」に出席し、午後7時から基調講演を行うことになっている。ディー・エヌ・エー(DeNA)の創業者である南場智子取締役らとのパネルディスカッションも予定されている。