ネットワールドは2013年7月3日、仮想サーバー環境の高可用性(HA)構成を安価に実現するミドルウエアの新版「StorMagic SvSAN 5.1」を発表した。2013年秋頃の出荷を予定する。新版では、遠隔拠点のサーバー復旧を支援する機能やHyper-V対応など、主に大企業向けの機能を強化した。開発会社は、英StorMagic。

 SvSANは、高価な外部接続型の共有ストレージを用意せずに、物理サーバー機が内蔵しているストレージだけで仮想サーバーのHA構成やライブマイグレーションを可能にするミドルウエアである(関連記事:ネットワールド、VMwareのHA構成をミラーで実現するiSCSIソフトに新版)。実態は仮想アプライアンスの形態をしたiSCSIターゲットストレージであり、異なるハイパーバイザー上のSvSAN同士がデータをミラーリング同期する仕組み。

 新版では、主に大企業に向けて、大きく二つの機能強化を図った。(1)ベアメタルのリストア機能を追加し、物理サーバーに障害が発生した際のシステム復旧を容易にした。IT管理者がいないリモートオフィス/ブランチオフィスを抱えている大企業に向く。(2)動作対象のハイパーバイザーを拡大し、これまでのVMware vSphereに加えて、新たにHyper-V環境で動作するようにした。

 このうち、ベアメタルのリストア機能とは、物理サーバーのシステム設定をコンフィグファイルとして保存しておき、このファイルを介して任意の物理サーバーに設定を反映させる機能である。保存済みの設定ファイルさえあれば、システム障害時に素早くシステムを復旧させることができる。

 SvSANでは2台の物理サーバー同士が互いにストレージをミラーリング同期しているので、結果として、個々のサーバー設定を相互に持っている状態になる。つまり、片方の物理サーバーが障害で落ちても、もう片方の物理サーバー機が設定ファイルのコピーを持っているので、これを利用してシステムを復旧できる。

 2ノード時の参考価格(税別)は、ストレージの実効容量2Tバイト(最小構成)で24万9800円、容量無制限で143万8500円。