ロードリック・ラピン新社長。2007年2月にレノボ・シンガポールに入社。2008年10月にレノボ・ジャパン社長に就任し、2011年7月のNECとの合弁時から持ち株会社の会長を務めていた
ロードリック・ラピン新社長。2007年2月にレノボ・シンガポールに入社。2008年10月にレノボ・ジャパン社長に就任し、2011年7月のNECとの合弁時から持ち株会社の会長を務めていた
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 レノボ・ジャパンとNECパーソナルコンピュータ(NECPC)は2013年6月28日、社長を交代した(関連記事)。両社の社長に就いたのが、持ち株会社であるレノボNECホールディングスの会長だったロードリック・ラピン氏である。NECと中国のレノボ・グループが、2011年に合弁会社を発足してから2年。このタイミングで社長を一本化した理由は何か。タブレットの急速な伸展など市場が激しく変化する中で、どのような戦略を採るのか。ラピン社長に聞いた。(聞き手=中野淳・日経パソコン編集長)

■今回の体制変更の狙いは。

 2013年6月18日に社長交代を発表しました。ただしレノボ・ジャパンとNECPCは、既に組織の統合をかなり進めています。外から見ると2つの会社に見えますが、内側では各部門で責任者を一本化しています。ですから今回の体制変更があっても、組織としての実際の運用は何も変わりません。

 レノボ・ジャパンとNECPCは、合弁後から間接部門を統合してきました。特に2012年の4月から市場が落ち込んできたため、統合を加速度的に進めてきました。今では営業やマーケティングなども含めて、1人の責任者が部門をまとめる体制になっています。

 とはいえ、統合しているのはあくまでも組織の裏側です。レノボとNECPCの2つのブランドはこれからも守り続けます。NECPCのブランドは日本での認知度がとても高く、独自性もあります。またNECPCは日本の個人向け市場を非常によく理解しています。

■既に組織統合が順調に進んでいるなら、社長の一本化は必要ないのでは。

 我々はこれまでも、日本という国に1つのまとまった会社組織を整えていくという計画の下で動いてきました。これほど市場の状況が厳しくなっている中で競争力を付けるには、組織の効率化や合理化を図ってコストを削減し、その分を新たな投資に回す必要があると判断したのです。ただ当初、それはもうちょっと時間をかけて実行するはずでした。

 しかしパソコン市場が急速に冷え込み、一方でタブレットのように我々が「PCプラス」と呼ぶスマートデバイスの存在感が増すなど、激しい変化が起こっています。そこで、元々もっと先に計画していた体制変更を、このタイミングで実施したのです。