米Microsoftは2013年6月26日から28日までサンフランシスコで開催した開発者向けカンファレンス「BUILD 2013」において、Visual Studioの最新版やWindows Azureの最新情報を発表した。

 1日目の基調講演がWindows 8.1 PreviewやWindows Phoneを中心とした内容だったのに対し、2日目はWindows Azureに関する新機能の発表を中心とした内容となった。

「ファーストパーティとサードパーティ」を兼ね備えるのがMSの強み

 基調講演には、米MicrosoftでServer&Tools Business部門のPresidentを務めるSatya Nadella氏が登壇(写真1)。最初にNadella氏はWindows Azureを取り巻く最新の数字を次々と挙げた(写真2)。

写真1●米MicrosoftのSatya Nadella氏
写真1●米MicrosoftのSatya Nadella氏
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写真2●Windows Azureに関する最新の数字を発表
写真2●Windows Azureに関する最新の数字を発表
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 これによると、Windows Azureはフォーチュン500社の50%以上の企業に採用されており、Active Directoryは320万の組織、6800万ユーザーを保有していること、コンピュートとストレージは6ヶ月ごとに倍増していることを明らかにした。

 さらにMicrosoft自身も、エンドユーザー向けに大規模なサービスを提供している点を指摘。Xbox LIVEの登録者は4800万人、Skypeユーザーは2億9900万人、SkyDriveのアカウント数は2億5000万、Bingによるモバイル通知は1ヶ月に10億件に達しているという。

 Nadella氏によれば、ここにMicrosoftの強みがあるという。なぜならMicrosoftはWindows Azureを始めとするクラウドのプラットフォームを提供する「ファーストパーティ」であると同時に、自社サービスでそれらを大量利用する「サードパーティ」でもあるからだ。「両者がお互いに要求を出し、フィードバックによる改善を重ねることが、進化の源になっている」(Nadella氏)という(写真3)。

写真3●Microsoft自身が、自社のクラウドサービスの大規模な利用者でもある
写真3●Microsoft自身が、自社のクラウドサービスの大規模な利用者でもある
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写真4●PaaSだけでなくIaaSにも対応、すでに20%に達している
写真4●PaaSだけでなくIaaSにも対応、すでに20%に達している
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 また、2013年4月にはWindows Azure上で仮想マシンを利用できる「IaaS」サービスを正式に提供開始した。すでにWindows Azure全体の20%はIaaS用に稼働しているという(写真4)。また、最新のOSとして、Windows 8.1のサーバー版といえる「Windows Server 2012 R2」の仮想マシンをWindows Azure上に用意。「Windows AzureのIaaSサービスを用いれば、いますぐWindows Server 2012 R2を評価できる」(Nadella氏)とメリットを語った。