写真●党のネット放送局「STUDIO DPJ-CHANNEL」のスタジオを披露した細野豪志幹事長
写真●党のネット放送局「STUDIO DPJ-CHANNEL」のスタジオを披露した細野豪志幹事長
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 民主党は2013年6月28日、参議院選挙に向けてインターネットを活用した選挙活動の具体施策を発表した。若者の利用が多いソーシャルメディア「LINE」や「アメーバピグ」などを活用し、有権者が参加できるイベントやコンテンツを展開するほか、市民が討論に参加できる党運営のネットシンポジウムを開催する。

 また、ネット上の書き込みから「民意」を解析するツールを運用し、選挙期間中の機動的な選挙活動を指南する支援チームを発足させた。会見で全体方針を説明した細野豪志幹事長は、「単なる選挙活動の手段でなく、有権者と意見を交わす双方向の重要なツールとしてネットを活用していく」と話し、参院選後もネットシンポジウムや民意解析ツールなどの運用を続けていく方針を強調した。一連のコンテンツは党の特設サイト「声!」でも集約して紹介している。

 LINEでは、民主党からの投稿を参加者誰もが閲覧できる「ON AIR」機能を使い、若者らからの意見を集めては集約して公開するイベントを随時、開催する。初回は「あなたはどんな働き方をしたい?」をテーマに28日午後8時~午後9時に開催。集まった声は民主党サイトでも集約して掲載する。

 アメーバピグでは、仮想上の渋谷の街に民主党の選挙運動車が現れ、党幹部が演説するコンテンツなどを提供する。このほかにAR(拡張現実感)などを活用した二つの党公式アプリを7月4日に公開し、若者層を中心に利用を見込む。いずれも政策発信よりは、主に若者層が参加しやすいコンテンツに力点を置いており、「政治への関心を高めてもらう一つの手段」(馬淵澄夫幹事長代理)として企画したという。

 このほか、市民がチャット形式で広く参加できるネットシンポジウム「声!CAFE」や、政党幹部や候補者らが政策などを発信する動画配信サービス「STUDIO DPJ-CHANNEL」も開設(写真)。YouTubeやUstreamなどで公開する。

 本格的なネット上の書き込み解析にも取り組む。解析ツール「声!ダッシュボード」を新たに開発した。選挙期間中は、有権者の関心事や民主党の政策に対する反応などを解析し、結果を候補者にレポートする。ネットでの即時性の高い情報発信や選挙活動などに役立ててもらう狙いだ。馬淵澄夫幹事長代理は、「今後はネットの解析結果をマニフェスト作成の参考としても活用したい」と発言し、参院選後も利用を拡大していく考えを示した。