写真●会見するアクセンチュアの立花良範テクノロジー・コンサルティング本部IT戦略・インフラグループ統括マネイジング・ディレクター
写真●会見するアクセンチュアの立花良範テクノロジー・コンサルティング本部IT戦略・インフラグループ統括マネイジング・ディレクター
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 アクセンチュアは2013年6月28日、3~5年先の技術トレンドをまとめた「Accenture Technology Vision 2013」を発表した。「全てのビジネスがデジタルに」を前提に、大きく7つのキーワードを打ち出した。

 アクセンチュアの立花良範テクノロジー・コンサルティング本部IT戦略・インフラグループ統括マネイジング・ディレクターは、米ゼネラル・エレクトリックが産業用機器をクラウドで管理・分析する事例に触れながら、「新しいデジタルビジネスが胎動しつつある」と話した(関連記事)。

 アクセンチュアが発表したのは「Relationships at Scale」「Design for Analytics」「Data Velocity」「Seamless Collaboration」「Software-Defined Networking」「Active Defense」「Beyond the Cloud」の7つ。このなかで顧客事例も交えて、特に時間を割いたのが、Relationships at ScaleとDesign for Analyticsの2つだ。

 1つめのRelationships at Scaleでは、あらゆるチャネルを通じて、顧客と1対1の関係を築く必要性を強調。欧州のある大手通信会社では、販売店にカメラを設置し、通行量や立ち止まった人の数、滞在時間、入店数といったデータを収集。販売実績などと組み合わせて分析し、店舗の評価に生かしているという。

 2つめのDesign for Analyticsは、経営の問いからさかのぼり、分析に必要なシステムや組織を設計するやり方を指す。立花マネイジング・ディレクターは「経営の問いを出発点に、データSCM(サプライチェーン管理)をデザインすべき」と語った(写真)。

 ここでは米コカ・コーラの事例を紹介。同社は果汁100%のオレンジジュースで攻勢をかけるため、データをフル活用しているという。

 具体的には、気象や収穫予想といった外部データと、消費者の嗜好や果汁の配合などの内部データを組み合わせて、生産計画のモデルを数式化している。「バリューチェーンにアナリティクスを組み込んでおり、どこかでハリケーンが起きて収穫量ががくんと落ちても、すぐに対応できる体制を作っている」(立花マネイジング・ディレクター)。