日本ヒューレット・パッカード(HP)のオートノミー事業本部は2013年6月28日、米HPが2011年秋に買収した米Autonomyの組織統合がこの6月にワールドワイドで完了したこと、および今後の事業戦略についての記者説明会を開催した。統合は、北米地区(米・カナダ)が2013年1月1日、それ以外の地域では6月1日に完了。Autonomyの従業員はすべてHPへ転籍して、AutonomyはHPで企業向けソフトを手がけるHP Softwareの主要部門の一つとなった。

 Autonomy部門は企業向けのデータバックアップ&リカバリソフトを手がけており、通常の業務データはもちろん、音声、ビデオを含む非構造化データの取り扱いを得意とする。説明会では米HPのエンタープライズ・データプロテクション担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのDavid Jones氏が、Autonomy製品の優位性などを解説した。

 Jones氏はデータバックアップに影響を与える最近のトレンドとして、「ビッグデータの爆発的な増加」「仮想化およびクラウドへの移行」「モビリティがもたらす変化」を挙げる。このうちビッグデータについては、「企業間では1秒当たり約1億8600万通あまりのメールがやり取りされている」といった数字を引用しながら、「企業が保持するデータは12カ月から18カ月サイクルで倍増している」と説明。さらに、金融規制法案であるドッド=フランク法に代表されるように、データ保存を義務付ける各種の規制が増えていることもあって、企業にとってデータバックアップの重要性が高まっていると力説した。

 日本HPのオートノミー事業本部は、ポリシーベースのデータバックアップソフト「HP Data Protector」をはじめ、クラウドベースのバックアップ「Autonomy LiveValut」、モバイルデバイス向けのバックアップソフト「Autonomy Connected Backup」などを国内で販売する。このうちHP Data Protectorの最新版は英語版であり、日本語版は9月の発売を予定している。

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本文最後で「ただし、すべて英語版であり、日本語版は9月の発売を予定している 」としていましたが、正しくは「このうちHP Data Protectorの最新版は英語版であり、日本語版は9月の発売を予定している」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/7/1 12:20]