写真1●西友ドットコム事業本部の久野克宜執行役員シニア・バイス・プレジデント
写真1●西友ドットコム事業本部の久野克宜執行役員シニア・バイス・プレジデント
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写真2●DeNAの林光洋執行役員EC事業本部本部長
写真2●DeNAの林光洋執行役員EC事業本部本部長
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 西友は2013年6月27日、新たなネットスーパー「SEIYUドットコム」の本格サービスを開始した。同4月下旬から、旧サイトを刷新したベータ版として既にSEIYUドットコムの運用を始めていたが、同日をもってグランドオープンした。西友は2000年からネットスーパーを提供している日本の“老舗”企業。約13年を経て、全面改装した。

 サイト構築はディー・エヌ・エー(DeNA)が担当。両社が共同で運営する。

 西友は2012年7月に、DeNAとオンラインショッピングサービスの強化で手を組んでいる。2012年11月には前身の「SEIYUネットスーパー」を両社で刷新しており、2013年4月までに取扱高を前年同期比で50%伸ばした実績がある。

 今回のSEIYUドットコムの特徴は、最寄りの西友各店から生鮮などの商品が届く「ネットスーパー便」に加えて、物流拠点から商品が届く通販型の「配送センター便」を用意したことだ。配送センター便を使えば、飲料や日用品などをまとめ買いできる。店舗には置ききれていないニッチ商品も購入できる。

 ただし、配送はネットスーパー便と配送センター便では別々になるので、受け取りは二度にわたる。今後は同時に受け取れるサービスも検討していくという。

 顧客は一度の注文で、ネットスーパー便と配送センター便を組み合わせて利用できる。送料は315円だが、両方の合計金額が5000円を超えれば無料になる。

 現在、店頭から商品が届くネットスーパー便を提供している西友の店は、17都道府県の合計109店。日本の人口の約20%をカバーしている。センター配送便はネット通販なので、これまで対応できていなかった80%に当たる、近隣に西友の店舗がない人でも利用できる。ただし、ネット通販はアマゾン・ドット・コムや楽天などと直接競合することになる。

 米ウォルマート・ストアーズ傘下にある西友の最大の売り物はEDLP(EveryDay Low Price、毎日低価格)。「価格訴求力を生かしたい」と、西友ドットコム事業本部の久野克宜執行役員シニア・バイス・プレジデントは語る(写真1)。

 一方、DeNAは「ソーシャルゲームなどの経験を生かし、買いやすさを提供したり、サイト内での買い回りを促進したりする」(林光洋執行役員EC事業本部本部長、写真2)。またDeNAは同社が運営する「DeNAショッピング」の会員IDと、今回のSEIYUドットコムの会員IDを共通化し、ポイントも共通に付与することにした。