米Clearwire買収を巡って米Sprint Nextelと争っていた米DISH Networkは現地時間2013年6月26日、Clearwireに対する株式公開買い付け(TOB)を取り下げると発表した。これにより、SprintはClearwire買収成立にさらに1歩近づいた。

 Clearwireの株式の50%以上を保有するSprintは2012年12月、完全子会社化に向けて残りの株式を1株当たり2.97ドルで買い取ることをClearwireに提案した。しかし2013年1月、DISHが1株3.30ドルの買収額で対抗案を提示。Sprintが5月に1株3.40ドルに引き上げると、その後DISHが1株4.40ドルを提示した。SprintはDISHがClearwireに提示した買収案は違法だとして米デラウエア州の衡平法裁判所に提訴し、6月20日に買収額を1株5.00ドルに引き上げた(関連記事:SprintがClearwire買収額を引き上げ、DISHの提示額を上回る1株5ドル)。

 これを受けて、Clearwire取締役会は株主に対してSprintによる買収を支持するよう勧告。DISHは今回、新たな買収額を提示せず、手を引くことを決定した。Clearwireは7月8日に開催する臨時株主総会で、Sprint買収案に対する株主投票を行う見通し。

 なおDISHはSprintを巡っても、ソフトバンクと買収合戦を繰り広げていたが、6月18日に撤退を表明。6月25日に行われたSprintの株主投票では、ソフトバンクの買収案が議決権の約98%の支持票を得て承認された(関連記事:Sprintの株主投票、ソフトバンクによる買収案を承認)。

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