電気通信紛争処理委員会は2013年6月26日、2013年1月30日に総務大臣から諮問を受けたひのきからの総務大臣の裁定申請について、同日に答申を行ったと発表した。それによると、一部地域を除き、「読売テレビ放送は同社のテレビジョン放送をひのきが再放送することに同意しなければならない」とした。

 ひのきは、徳島県の三つの町をエリアとするケーブルテレビ会社である。読売テレビ放送の再放送同意について協議が不調にあたる2011年6月21日に大臣裁定の申請を行った。これに対し、「基幹放送事業者が協議に応じず、または協議が調わないとき」という裁定申請の要件が満たされていないとして、いったんは裁定拒否となった。しかし、ひのき側は、2011年11月7日付けで総務大臣に異議申立てを行い、同年12月9日付けで電波監理審議会に付議された。そして、電波監理審議会は2012年11月28日、ひのきの主張を認め拒否処分を取り消す決議を行った(関連記事)。

 この結果、総務大臣による大臣裁定を行うことになり、総務大臣からの諮問を受けて電気通信紛争処理委員会が審議を行ってきた。電気通信紛争処理委員会は、「再放送に係る同意を判断すべき区域の単位については、原則として市町村とする」とした上で、申請者の業務区域である3町のうち松茂町と北島町については、同意裁定の答申を行った。

 一方の上板町については、「上板町と近畿広域圏との間の通勤・通学などの人の移動については極めて少ないと認められ、両地域間の経済的取引も他の2町に比べるとやや少ない」とし、このため「読売テレビの放送の地域性に係る意図の侵害に比べ、再放送を認めるに足る程度の受信者の利益があると評価することはできない」とした。この結果、この地域については「同意しなければならないとは認められない」とした。

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