米Barnes & Nobleは現地時間2013年6月25日、タブレット端末の生産から撤退する方針を明らかにした。今後は消費者向けエレクトロニクス製品を手がけるサードパーティーのメーカーと協力し、共同ブランドのタブレットを展開するとしている。ただしメーカー名などの詳細は明らかにしていない。一方で、電子書籍端末の「NOOK Simple Touch」および「NOOK Simple Touch GlowLight」の開発は今後も自社で行うとしている。

 米Barnes & Nobleが同日発表した2013会計年度第4四半期(2~4月)の決算は、売上高が前年同期から7.4%減の12億7700万ドルとなった。純損失は1億1860万ドルで、赤字額は前年同期の5690万ドルからほぼ約2倍に拡大した。

 事業別で見ると、実店舗、オンラインストア販売の「小売事業」は売上高が前年同期比10%減の9億4800万ドル、EBITDA(利子、税金、減価償却費控除前損益)は同23.9%減の5100万ドル。タブレットや電子書籍端末、デジタルコンテンツなどの「NOOK事業」は売上高が同34%減の1億800万ドル、同事業のEBITDAは1億7700万ドルの赤字で、赤字額は前年同期からほぼ2.3倍に拡大した。

 NOOK事業は、端末の販売台数の減少が要因となり、売上高も落ち込んだ。またデジタルコンテンツの売上高は年間で16.2%伸びたものの、2~4月期だけで見ると8.9%減少した。端末の販売が低迷したことが原因の1つと同社は説明している。

 こうしたNOOK事業の不振を踏まえ、同社は「製造に関するリスクを取り除くことで、NOOK事業の損失を大幅に低減する計画」としている。同社は、2012年秋に7インチ型のタブレット端末「NOOK HD」と9インチ型の「NOOK HD+」を発売した。これらの製品の在庫分については今後も販売を続ける。また製品のサポートや、ソフトウエアのアップグレード、電子書籍ストアの改良も図っていくとしている(関連記事:Barnes & Nobleが7インチと9インチHDタブレットを発表、「Kindle Fire HD」に対抗)。

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