ビーエスピー(BSP)は2013年6月25日、ミドルウエアや業務アプリケーションにスケジューラー機能を組み込む開発ライブラリー「A-AUTOジョブスケジュール管理API」(以下、APIライブラリー)を発表、同日提供を開始した。ジョブスケジューラーソフト「A-AUTO」のエンジンを切り出し、これをアプリケーション組み込み用途で販売する。価格は個別対応だが、A-AUTOの価格(税別で55万円から)よりも安く設定するとしている。

 アプリケーションにスケジューラー機能を組み込むための言語ライブラリーである。C/C++およびJava言語向けに用意しており、アプリケーションを自社開発するユーザー企業や、スケジューラー機能を付加価値として自社製品に追加したいツールベンダーに対して提供する。APIライブラリーを組み込むことによって、外部に別途スケジューラーソフトを用意することなく、スケジュールや条件に応じたジョブの制御が可能になる。

 APIライブラリーは元々、BSPの関連会社であるビーコンインフォメーションテクノロジー(ビーコンIT)が2013年5月13日に出荷したETLツールの新版「Waha! Transformer Ver4.2」に組み込んだものである(関連記事:ビーコンIT、ジョブスケジューラーを内蔵したETLツール新版を出荷)。同製品の引き合いが強かったことから、今回、APIライブラリーを外部向け製品として提供することにした。

 APIライブラリーは、A-AUTOのエンジンをベースとする(関連記事:BSPがジョブスケジューラーの新版「A-AUTO Ver7.2」、ログ管理GUIを追加)。A-AUTOの諸機能のうち、アプリケーション組み込みの用途に適した機能だけを抽出してライブラリー化した。スケジュールによる処理の実行(開始時刻の指定や繰り返しの指定)や、メール受信やファイル生成などのトリガーに応じた処理の実行ができる。一方で、複数のコンピュータにまたがったジョブは実行できない。

 APIライブラリーが有効なケースは、A-AUTOのような独立したスケジューラーソフトを追加で導入できない環境で、OS標準のスケジューラー機能やオープンソースのスケジューラー機能では機能が足りないといったケースである。スケジューラー機能はA-AUTOを踏襲しており、日時や曜日といった指定だけでなく、季節ごとのスケジュールなども指定できる。なお、スケジュールの指定やジョブフローの定義は、APIライブラリーとは独立したGUI画面アプリケーション(バンドルで提供)から実施できる。