米Dellの創業者兼最高経営責任者(CEO)であるMichael Dell氏は現地時間2013年6月21日、同社株主に対して、自身が中心となって進めるDell非公開化計画を支持するよう呼びかけるプレゼンテーションを行った。また、「他者から提案されている軽率なレバレッジドリキャピタリゼーション(借入金による資本再構成)には反対だ」と著名投資家Carl Icahn氏を批判した。

 DellとDell氏が2月に合意した非公開化計画では、同氏および米Silver Lake Partnersを中心とする企業連合が約244億ドルでDellを買収し、上場を取りやめる。Dellの株主は普通株1株につき現金13.65ドルを受け取る。これに対し、Icahn氏と米Southeastern Asset Managementは5月10日にレバレッジドリキャピタリゼーション方式の代替案を提示。代替案ではDellの上場を維持しつつ、株主は1株あたり現金12ドルまたは12ドル相当の追加株式を受け取れる。

 しかし、Dell取締役会の特別委員会は5月31日に非公開化計画を承認するよう株主に勧告。また6月には、Icahn氏らの代替案は約39億ドルの資金不足が見込まれるとの見解を示した(関連記事:Dell特別委員会、「Icahn氏らの代替案は著しい資金不足」と指摘)。

 これを受け、Icahn氏は「流動性の懸念に応えるため」として、6月18日に1株14ドルの株式買い戻し計画を提案した。同氏はあらためて非公開化計画を阻止する姿勢を示し、株主総会で反対票を投じるよう株主に呼びかけた。非公開化計画が否決された際には新たな取締役メンバーを選出し、取締役会として1株14ドルの株式公開買い付け(TOB)を承認するとしている(関連記事:Dell買収を巡り、Icahn氏が1株14ドルの株式買い戻し計画を提案)。

 Dell CEOはプレゼンテーションで、「もし上場が維持されれば、当社はより困難でリスクの高い状況に陥る」と指摘。非公開化計画が最適な選択肢だと主張し、株主に対して非公開化計画への賛成票を投じるよう訴えた。株主投票は、7月18日に行われる予定。

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