写真1●コーディングでより良い政府を作るプログラム『Code for Japan』の可能性について語る会
写真1●コーディングでより良い政府を作るプログラム『Code for Japan』の可能性について語る会
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写真2●コード・フォー・ジャパン準備室 メンバー 市川裕康氏
写真2●コード・フォー・ジャパン準備室 メンバー 市川裕康氏
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写真3●市川氏が行った「Personal Democracy Forum」の参加報告
写真3●市川氏が行った「Personal Democracy Forum」の参加報告
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写真4●コード・フォー・ジャパン準備室 メンバー 関治之氏
写真4●コード・フォー・ジャパン準備室 メンバー 関治之氏
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写真5●震災復興支援アプリ開発コミュニティHack For Japan
写真5●震災復興支援アプリ開発コミュニティHack For Japan
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写真6●Code for AmericaのCatherine Bracy氏(中央)、コード・フォー・ジャパン準備室メンバー 関治之氏(左)、市川裕康氏(右)の写真
写真6●Code for AmericaのCatherine Bracy氏(中央)、コード・フォー・ジャパン準備室メンバー 関治之氏(左)、市川裕康氏(右)の写真
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 「コーディングでより良い政府を作るプログラム『Code for Japan』の可能性について語る会」と題するイベント(写真1)が2013年6月20日、東京の国際大学GLOCOMで開催された。Code for Japanは、開発者と政府・自治体をつなぎ、行政を改善するアプリを開発し適用するプロジェクト。米国の非営利組織「Code for America」の日本版だ。イベントでは米国の状況の報告と、Code for Japan設立に向けた議論が行われた。

 Code for Americaは、自治体に腕利きのプログラマを約1年間派遣し、市民が行政に参加しやすくなるためのアプリなどを開発するフェローシップなどの活動を行なっている。その活動により、市民が消火栓など市の施設を自分たちの手で保守するのを支援するアプリなどが開発された。

 まずコード・フォー・ジャパン準備室のメンバーでソーシャルカンパニー 代表取締役の市川裕康氏が、米国で6月6日と7日に開催された「Personal Democracy Forum(パーソナル・デモクラシー・フォーラム)」の参加報告を行った(写真2写真3)。Personal Democracy Forumは政治・行政とテクノロジーをテーマにした国際会議。Code for Americaやオンライン署名サイトChange.org、ニューヨーク市の担当者、伊藤穣一氏などによる講演が行われた。

 市川氏は、ニューヨーク市が同市の財務状況を可視化するサービス「Checkbook NYC」をオープンソース化すると発表したこと、ホワイトハウスがGitHubにアカウントを開設しソースコードなどを共有していることを紹介。

 またオンライン署名サイト「Change.org」が、1500万ドル(約15億円)、オンライン上で行政サービスへのアイデアを集めるクラウドソーシングサービス「MindMixer」が620万ドル(約6億2000万円)の資金を調達したことなどをあげ、こうしたエコシステムが成熟しつつあると指摘した。

 次に、コード・フォー・ジャパン準備室のメンバーでGeorepublic Japan CEO、内閣府IT戦略会議 オープンデータ推進実務者会議 ルール・普及WG委員などを務める関治之氏(写真4)が登壇。関氏は「私もスタッフの一人である震災復興支援アプリ開発コミュニティHack For Japan写真5)で多くの素晴らしいアプリケーションが開発されたが、行政を巻き込み政府や自治体で使われなければPDCAのサイクルが回らない」と、Code for Japanへの思いを語った。

 そして市川氏と参加したPersonal Democracy ForumでのCode for AmericaのCatherine Bracy氏とのミィーティング(写真6)の模様を報告した。Bracy氏は「日本にCode for Americaのやりかたをそのまま持っていく必要はない。日本の事情に合わせてアレンジし、その試みを本家のCode for Americaにフィードバックしてもらえると嬉しい」と語ったという。そして「フルタイムの開発者を派遣するフェローシップではなく、消防団のように本業のかたわら行政のためのアプリを開発する『ブリゲード』プログラムから始めるといい」というアドバイスがあったという。

 関氏は「米国と日本では、寄付の文化や税制、雇用の流動性など違いは大きいが、日本でもできないことはないはず。日本独自のやり方を探っていきたい」と述べ、今後Code for Japanの設立メンバー、参加自治体を募り、資金を集めるなど活動を始めていきたいと語った。Code for Japanの設立に関する議論などはFacebookのCode for Japan 参加メンバー向けグループで行われている。