写真●IT大手の浙大网新科技(インシグマ)鐘明博執行総裁
写真●IT大手の浙大网新科技(インシグマ)鐘明博執行総裁
[画像のクリックで拡大表示]

 中国・大連で開催中のITサービス関連イベント「China International Software and Information Service Fair(CISIS)2013」(関連記事)の講演で、IT大手の浙大网新科技(インシグマ)鐘明博執行総裁が、中国のITアウトソース業界の1年について語った(写真)。

 インシグマは、浙江大学のコンピュータ学科からスタートしたベンチャー企業で、2012年の売上高が約50億元(約800億円)、従業員は約5000人である。通信や電力、金融、自治体といった社会インフラ系のシステム構築と、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などITアウトソーシング業の二つを柱にしている。

 このうち、アウトソース産業は「厳しい状況に置かれている」と、鐘氏は率直に語った。中国の人件費が今も年間15%のスピードで上昇していること、人民元が円、米ドル双方に対して高くなっていることから「もはや、中国が安さを売りにする時代は終わった」(鐘氏)とする。今後、中国のIT企業は、個々の企業がそれぞれ独自の強みを持ち、その強みを市場ニーズと結びつけることが重要とした。

 インシグマが今後注力する分野として、鐘氏はクラウドコンピューティング、ビッグデータ、そしてIOT(Internet of Things)の三つを挙げた。「これらの技術は、かつてインターネットがITに与えたのと同等のインパクトを業界にもたらす。我々は絶対にこのチャンスをつかむ」と力を込めて語った。