写真1●米FireEyeで会長兼CEOを務めるDavid DeWalt(デビッド・デウォルト)氏
写真1●米FireEyeで会長兼CEOを務めるDavid DeWalt(デビッド・デウォルト)氏
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 「サイバー戦争は既に始まっている。知的財産が豊富な日本は、敵から見て重要な攻撃対象だ」---。標的型攻撃の対策製品を手がけるファイア・アイは2013年6月20日、都内で会見を開き、日本企業に対するサイバー攻撃の動向を説明した。米FireEyeで会長兼CEOを務めるDavid DeWalt(デビッド・デウォルト)氏(写真1)が、いくつかのデータを示しながら、攻撃者にとって日本が重要な国になっていることを力説した。

 「サイバー戦争の結果、人類史上最大の富の移転が起こってしまっている」と、CEOのDavid氏は指摘する。「サイバー戦争はいつ始まるのか、という質問を受けるが、既に始まっており、結果も出ている」(David氏)。典型的な攻撃では、メールを駆使してCFO(最高財務責任者)から財務情報を入手したり、Webを活用して開発責任者の技術者から知的財産を入手したりする。

 米FireEyeの調査レポート(2013年5月)によれば、組織においては、たった1Gビット/秒の帯域当たり、一週間で平均221件ものセキュリティ上のインシデントが発生している。全体の98.5%の環境では、少なくとも一週間に10個のインシデントが発生している。攻撃を受けていない企業は少ない。また、一週間に1000個以上のインシデントが発生している環境が全体の20%を占める。