カナダの個人情報保護に関する監視機関Office of the Privacy Commissioner of Canada(OPC)は現地時間2013年6月18日、米Googleが開発を進めているめがね型ウエアラブルコンピュータ「Google Glass」について、プライバシーに関する質問状をGoogleのLarry Page最高経営責任者(CEO)に送ったことを明らかにした。質問状は、カナダと欧州連合(EU)および6カ国のプライバシー関連当局などによる共同書簡のかたちをとっている。

 共同書簡では、Google Glassを使って映像や音声を記録できる機能が「個人による他の個人の監視をいたるところで可能にする」恐れがあると指摘。どのような情報をGoogleはGoogle Glassを介して収集し、アプリケーション開発者などのサードパーティーと共有するのか、またそれら情報をGoogleは何に使用するかなどを質問している。

 そのほか、Googleおよびアプリケーション開発者が導入しようとしているプライバシー保護規定の内容や、顔認識技術に関する将来の計画も含め、全部で8項目の質問を掲げている。

 共同書簡には、カナダのJennifer Stoddartプライバシー委員のほか、オーストラリアとニュージーランドのプライバシー委員、EUのデータ保護に関する第29条作業部会のJacob Kohnstamm議長、およびメキシコ、イスラエル、スイスの情報保護関連当局の責任者が署名している。

 Google Glassは現在、開発者や「Glass Explorer」と呼ばれる一般ベータテスター向けに、早期テスト版「Explorer Edition」が提供されている。今春Explorer Editionの販売が始まると、米下院議員8人のグループが質問状をGoogleに送るなど、各方面からプライバシーを懸念する声が上がった。こうした状況を受け、Googleは先月、Google Glassに当面、顔認識技術を搭載しない方針を明らかにしている(関連記事:「Google Glass」、プライバシー懸念を受け、顔認識機能を当面非搭載に)。
 
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