英Financial Timesは現地時間2013年6月18日、中国通信機器大手のHuawei Technologies(華為技術)がフィンランドNokiaの買収を検討していると報じた。Huaweiの消費者向けビジネス部門を統括するRichard Yu氏が「我々はこの種の買収を検討している。たぶん2社の組み合わせは相乗効果を生むだろう。だがそれはNokiaの意欲次第。我々は柔軟だ」とコメントしたと伝えている。

 同紙がHuaweiに近い人物から得た情報によると、両社の間ではまだ具体的な協議は進んでいない。だがYu氏の強気の発言は世界の携帯電話市場で急成長しているHuaweiが、スマートフォン市場でリーダの地位を狙っていることを示しているとFinancial Timesは伝えている。

 Yu氏は世界のスマートフォン市場がやがて大手3~4社に集約されると予測しているという。また同氏は、NokiaのほかHuaweiでも一部の機種で採用している米MicrosoftのWindows Phoneについて、「売れ行きが芳しくなく、市場シェアも低い。それなのにライセンス料がかかる」と述べたという。

 このほか、Yu氏はHuaweiが今後フィーチャーフォンメーカーからスマートフォンメーカーに完全シフトし、自社ブランド製品の強化を狙っていることも明らかにしたとFinancial Timesは伝えている。

 米Gartnerが先ごろ公表した2013年1~3月期の世界携帯電話市場調査によると、Huaweiの販売台数は1111万台、市場シェアは2.6%で業界6位だった。一方スマートフォンの販売台数は933万台(同4.4%)で業界4位。同社のスマートフォンは前年同期比77%増と高い伸びを示している(関連記事:2013年Q1の世界携帯電話販売台数は4.2億台、アジア太平洋地域が53%占める)。

 別の調査会社米Strategy Analyticsによると、Huaweiの中国におけるた2013年1~3月期のスマートフォン販売台数は810万台。韓国Samsung Electronicsに次いで多い台数だった(関連記事:Samsung、13年Q1の中国スマホ市場で首位を維持---韓国メディアが報道)。