COMPUTEX TAIPEI 2013期間中、2013年6月6日に行われたセミナー「COMPUTEX TAIPEI Nikkei BP FORUM」(関連記事)では、「Android Application Award(A3=エーキューブ) 2013」で「COMPUTEX賞」を獲得した3開発者が登壇、それぞれが開発したサービスを紹介した。A3は、ITproが主催するスマートフォンのアプリ開発コンテストであり、今回が5回目の開催となる(「東日本大震災からの復興」をテーマとしたA3 Togetherを含む)。

写真1●「どこでもタイムカード@NFCタグ」を紹介する伊瀬賢啓氏
写真1●「どこでもタイムカード@NFCタグ」を紹介する伊瀬賢啓氏
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 最初に登壇したのは、「どこでもタイムカード@NFCタグ」を開発した伊瀬賢啓氏(写真1)。同氏が開発したのは、スマートフォンとNFCタグ、サーバーを組み合わせたタイムカードシステムである。オフィスなどに配置したNFCタグを読み取り、スマートフォン上の専用アプリがタグ情報を読み取り、出退勤をサーバーに通知する。専用のリーダーを使ったシステムに比べて、拠点にはタグだけを設置すればよく、安価にシステム構築できるのが特徴だ。伊瀬氏の講演では、大量の資料を使って、従来方式との比較や具体的な使い方を解説した。

写真2●「USBカメラアプリ」を開発したインフィニテグラの清水喜弘氏は、中国語資料を使って講演
写真2●「USBカメラアプリ」を開発したインフィニテグラの清水喜弘氏は、中国語資料を使って講演
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 続いて登壇したのは、「USBカメラアプリ」を開発したインフィニテグラの清水喜弘氏(写真2)。Androidが「USB規格のアイソクロナス転送」「USBビデオ規格」のいずれにも対応していないことに注目、Android端末本体に改造を加えることなく専用のアプリを開発することで市販USBカメラを接続することに成功した。用途としては、化粧品メーカー向けの肌チェックなどを想定しており、既に利用実績もあるという。同氏は講演会場にコスメ用カメラシステムの実機を持ち込み、受講者に実体験してもらった。ほかには、運転時の撮影、医療など現場作業時の撮影、配管中の撮影などが想定されている。今後の展開として、現状の「表示」「録画」だけでなく、「配信」「解析」が考えられるとした。

 最後の登壇者は、「オベントーバコラー」を開発したMindFreeの北口真氏(写真3)。オベントーバコラーは、実際のお弁当を食べる動作を計測することで実現する、対戦ゲーム。お弁当箱にArduinoとAndroidを搭載し、クラウド上に設置されているNode.jsサーバーとWebSocketによるリアルタイム通信を行うことで実現する。

写真3●「オベントーバコラー」を開発したMindFreeの北口真氏は、講演の半分を中国語で行った
写真3●「オベントーバコラー」を開発したMindFreeの北口真氏は、講演の半分を中国語で行った
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 さらに北口氏は、様々なデバイスをインターネットに接続するためのプラットフォーム「Real Socket Framework」を紹介した。RSFは、同イベントを機にトライアルユーザーの募集を始め、7月にはベータ版をリリースすることになっている。北口氏は、講演の半分ほどを中国語で行い、来場者の心をつかんだ様子だった。

 3人の講演は、ちょうど今回のCOMPUTEXのテーマである「クラウド」「スマートモビリティ」「タッチアプリ」とも合致する。講演後にはたくさんの来場者が、質問や名刺交換に列をなした。