米特許商標局(USPTO)が米Appleのバウンススクロール特許の有効性を認める判断を下したと、特許関連ブログ「Foss Patents」をはじめとする複数の米メディア(InfoWorldTNWなど)が現地時間2013年6月14日までに報じた。Appleはこれを米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所のLucy Koh判事に伝えたという。

 バウンススクロール(「バウンスバック」「ラバーバンド」とも呼ばれる)特許とは、米国特許番号「7,469,381」の通称で、リストをスクロールして最後まで達すると跳ね返る動作をするユーザーインタフェース技術に関するもの。Appleは同特許を含む複数の特許を韓国Samsung Electronicsに侵害されたとして訴訟を起こし、昨年8月にSamsungが同連邦地裁から損害賠償10億5000万ドルの支払いを命じられるという大勝利を収めた(関連記事:AppleがSamsungとの特許侵害訴訟で勝利、損害賠償は10億5000万ドル)。

 しかし同年10月に、USPTOはバウンススクロール特許の全クレームを無効とする予備判断を下した。2013年4月の最終判断では3件のクレーム(クレーム14、17、18)のみ認めるが、訴訟の中心となったクレーム19については無効と見なした。しかしUSPTOは今回、同特許を再審査した結果、4月の判断を覆し、クレーム19を含む4件のクレームの有効性を認めた。バウンススクロール特許は2011年にも再審査を受け、その際も有効との判断を得ている。

 なお、Koh判事は今年3月に、Samsungに命じた損害賠償額を見直す意向を明らかにしている(関連記事:Apple対Samsungの特許侵害訴訟、米連邦地裁が10億ドル超の損害賠償額を見直しへ)。