米国家安全保障局(NSA)や米連邦捜査局(FBI)が米国の大手通信会社などから密かに個人情報を収集していたとされる問題で、米当局は実際に詳細を調査していたのは300件にも満たない通話で、その対象はテロに関するものだけ、などとする文書を公開した。米Washington Post米Associated Press(AP通信)英BBCなどが、現地時間2013年6月16日までに報じた。

 報道によると、文書は6月15日に上院情報委員会によって公開された。Washington Postが入手し、ネット公開した資料(PDF)よると、当局側はNSAのプログラムで収集されたデータによって、米国と世界20カ国以上で計画されていた数十に及ぶテロを阻止できたとしている。

 文書には、NSAのプログラムが「外国情報監視裁判所(FISC)」によって承認されていること、プログラムが90日ごとに精査されていること、収集した情報は5年経過すると消去されることなどが記されている。

 諜報当局側の説明によると、当局が収集しているメタデータには電話番号や通話時間が含まれているが、通話内容、携帯電話の位置情報は含まれていない。米国外のテロリストが米国内の実行犯などと連絡を取り合っていることなどを察知して、当局は初めて詳細を調べる。その数が2012年の1年間で300件未満だったと説明している。