米Microsoftと米Facebookは現地時間2013年6月14日、昨年後半に米当局から受け取った個人情報開示要請の総数をそれぞれ発表した。両社は、米政府が密かに個人情報を収集しているとされる問題で、国家安全に関する情報開示要請について公表することを許可するよう政府に求めていたが、交渉の結果、データ公表の許可を得たという。ただし、国家安全関連だけでなく行方不明の子供や暴行事件といった犯罪捜査に関連した要請もすべて含まれる。

 2012年後半に、米当局(地域、州、連邦政府を含む)からMicrosoftが受け取った情報開示要請は6000~7000件で、対象となったアカウントは3万1000~3万2000件だった。一方Facebookが受けた情報開示要請は、9000~1万件で、対象となるアカウントは1万8000~1万9000件。Facebookは「同じ期間内の月間アクティブユーザー11億人超に対し、情報を求められたユーザーはごく一部」と述べている。

 米政府による個人情報収集に関しては、英紙Guardianが今月初めに、米国家安全保障局(NSA)が米Verizonからユーザーの通話記録を収集していると報道。米紙Washington PostもNSAと米連邦捜査局(FBI)が「PRISM」と呼ばれるプログラムを通じて大手ネット企業9社のサーバーから直接ユーザーデータを取得していると報じた。9社として米Googleおよび傘下のYouTube、Microsoftおよび傘下のSkype、Facebook、米Yahoo!、米PalTalk、米AOL、米Appleの名前が挙げられた。

 GoogleとMicrosoft、Facebookは、PRISMに関与していないことを証明するためとして、当局に対して透明性の向上を働きかけると同時に、詳細データの公表を許可するよう要求した(関連記事1:Google、「PRISM」を巡る身の潔白を示すため当局にデータ公表の許可を要求、関連記事2:MicrosoftとFacebookも政府に情報開示要請の公表許可を要求、米英メディアが報道)。

 MicrosoftとFacebookによると、今回政府が公表を許可したのは、外国情報監視法(FISA)に基づく要請と国家安全保障書簡(NSL)を含む国家安全関連と犯罪関連の要請を合わせた総数で、1000単位の数値のみ。Microsoftは、「当社は依然としてFISA要請を受けたことがあるかどうか明かすことは許されていない。もしあるとすれば、今回発表した数字に含まれている」と説明。両社とも引き続き、政府にさらなる透明性の向上を呼びかけていくとしている。

 またMicrosoftは、政府がVerizonに求めたとされる顧客の通信記録の引き渡しといった要請は受けていないと主張。Facebookもこれまで米当局および外国政府から受けた情報開示要請はすべて詳しく検討し、要請が適切ではない場合は断固としてユーザーデータを守るべく、たびたび要請を拒否するか、要請の規模を下げるよう求めるといった対応を行ってきたことを強調した。

[発表資料(Microsoftの公式ブログ)]
[発表資料(Facebookのプレスリリース)]