インフォテリアは2013年6月14日、同社のEAIソフト「ASTERIA WARP」の提供形態を拡大し、BYOL(Bring Your Own License)方式で利用できるようにした。ソフトウエアのライセンスを購入したユーザーが、自前でソフトウエアをインストールすることなく、あらかじめIaaS上に用意されている実行イメージを利用する形態である。同日、BYOLの第一弾として、IIJのIaaS「IIJ GIO仮想化プラットフォームVWシリーズ」(IIJ GIO)上で実行イメージの提供を開始した。

 前提となるASTERIA WARPは、異なるシステム同士をデータ連携させるEAIソフトである(関連記事:インフォテリア、EAI「ASTERIA WARP」新版で大規模向け機能を強化)。データベースや業務ソフトなど各種のデータソースからデータを抽出し、ルールに基づいて変換し、外部システムに引き渡す。ジョブフローを定義/実行するバッチスケジューラーとしての機能も備え、条件に応じてデータ処理のプロセスを駆動できる。

 一方、ASTERIA WARPの稼働プラットフォームとなるIIJ GIOは、プライベートクラウドの構築に適した、月額制のIaaS型クラウドサービスである(関連記事:VMware vCenterで仮想サーバー環境を自由に操作できるIaaS)。最大の特徴は、サーバー仮想化ソフト「VMware vSphere」を動作させた物理サーバー機をユーザー専用に用意すること。ユーザーは、運用管理ソフト「VMware vCenter Server」を管理者権限で直接操作し、仮想サーバー環境を自由に構築できる。

 IIJ GIOはサーバー仮想化ソフトを提供するIaaSなので、標準ではユーザーみずからが、個々の仮想サーバーにOS/ミドルウエア/アプリケーションをインストールして使うことになる。これに対してIIJでは、ユーザーがソフトウエアをアップロードしたりインストールしたりしなくても済むように、あらかじめインストール済みの実行イメージを「IIJ GIOライブラリ」としてIaaS側に用意している。今回、IIJ GIOライブラリのラインアップを拡充し、BYOL型で利用できる商用ミドルウエアの一つとして、EAIソフトのASTERIA WARPを追加した形になる。

 ASTERIA WARPの最新版は、2013年1月に出荷を開始した「ASTERIA WARP 4.7」である。同バージョンから正式にサーバー仮想化ソフト上での動作をサポートし、仮想環境向けの追加CPUライセンスを用意している。価格(税別)は開発ツール付きで480万円から。なお、IIJ GIOライブラリから調達できる商用ミドルウエアの実行イメージには、今回利用可能になったASTERIA WARPのほかに、独SAPのミドルウエアやサイボウズのミドルウエアなどがあるという。