写真1●IBM MessageSightの外観
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写真2●IBM MessageSightについて説明する、WebSphere事業部長の水戸篤氏
写真2●IBM MessageSightについて説明する、WebSphere事業部長の水戸篤氏
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 日本IBMは2013年6月13日、大量のモバイル端末/デバイスと社内業務システムを軽量プロトコルで効率よくつなぐハードウエア新製品「IBM MessageSight」(写真1)について、概要を説明した。MQTT(MQ Telemetry Transport)と呼ぶM2M(マシーン間通信)に向いた軽量のメッセージ通信プロトコルを利用する。5月24日に出荷したばかりの製品である。価格(税込み)は、2735万9850円。

 MessageSightは、軽量プロトコル(MQTT)を介してモバイル端末と業務システムとを連携させる、プロトコル中継/変換ゲートウエイ装置である。MQTTクライアントとなるモバイル端末から、DMZ(非武装地帯)に設置したMessageSightにMQTTでアクセスする。MessageSightは、MQTTまたはJMS(Java Message Service)で、社内LAN上にある業務システムやシステム連携ソフトと通信する。

 MQTTを使うためのライブラリーを用意している。これを使えば、比較的容易に、クライアントアプリケーションなどにMQTTを組み込める。MQTTのアダプターを用意しているミドルウエアもある(IBM InfoSphere Streamsなど)。また、必要に応じて、システム連携ソフト(ESBなど)がMQTTをSOAP/HTTPなどの汎用プロトコルに変換し、個々の業務システムと通信する。

 MQTTは、大量のデバイスやセンサーに低遅延でメッセージを伝達するM2Mの用途に向けて作られた、パブリッシュ/サブスクライブ型のメッセージプロトコル。コネクション確立時にクライアントがサーバーにサブスクライブ(購読)するキーワードを登録し、キーワードに合致するメッセージをサーバーからクライアントに配信する、といった仕掛けで動作する。

 TCP/IPアプリケーションプロトコルの一つだが、既存の汎用プロトコル(HTTPなど)と比べて通信のオーバーヘッドが小さく、効率よくメッセージをやり取りできるという。日本IBMによれば、1台のMessageSightで、100万台のデバイスについて1台あたり秒間10メッセージ、つまり全体で秒間1000万メッセージ以上を低遅延で送付できるとしている。