写真●日立製作所の情報・通信システム社の齊藤裕社長
写真●日立製作所の情報・通信システム社の齊藤裕社長
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 日立製作所は2013年6月13日、事業戦略説明会を開催し、2016年3月期を最終年度とする「2015中期経営計画」の具体策について説明した。

 情報・通信システム部門は、2016年3月期の売上高目標を2兆1000億円、海外売上高比率の目標を35%に設定。2013年3月期(前期)実績の1兆7865億円、26%からそれぞれ大きく伸ばす計画を掲げた。中計最終年度に10%の営業利益率を目指す。

 情報・通信システム社の齊藤裕社長(写真)は「日立の総合力を生かすためのグループ連携の強化と事業ポートフォリオの変革、経営基盤の進化を通じてグローバルメジャープレーヤーと互していく」と強調。成長を加速させるための重点分野として「ビッグデータ利活用」と「高信頼クラウド」、「セキュリティ」の三つを挙げた。

 ビッグデータ利活用については、6月に設立した「日立イノベイティブ アナリティクス グローバルセンタ」を軸にグローバル対応を強化する。前期に約100億円だったビッグデータ関連売上高を、2016年3月期に1500億円に伸ばす。

 高信頼クラウドでは、米アマゾン・ドット・コムや米マイクロソフトなどとの提携を強化し、グローバルでサービスを提供する体制を整える。売上高を前期の2000億円から、3年間で5000億円に拡大させるとしている。

 セキュリティについては、コンサルティングや診断、監視サービスなどを強化する。「社会インフラがシステム化されて相互につながる中で、セキュリティが重要なテーマになっている。防衛や制御システムなどで培った実業ノウハウと、ITのノウハウを融合させて、新しいソリューションを作っていく」と齊藤社長は述べた。前期に約300億円だった関連売上高を、2016年3月期に500億円に成長させる計画だ。

 「国内市場は縮小傾向にあり、価格も厳しくなっている。組織と個人の力を強めて他社リプレースを着実にできれば、国内でも(市場平均を超えた)成長が期待できる」と齊藤社長は語り、営業活動を積極化させる方針を打ち出した。