ハンズフリー/アイズフリー運転の調査の様子
ハンズフリー/アイズフリー運転の調査の様子
[画像のクリックで拡大表示]

 全米自動車協会(AAA)は現地時間2013年6月12日、運転中に音声命令で各種操作ができるハンズフリー/アイズフリー機器が運転能力に与える影響について調査した結果を発表した。安全運転のためとして開発されるこうしたシステムが新たな危険性を生み出すと、AAAは指摘している。

 ハンドルから手を離すことなく、また道路から視線をそらすことなく操作できるハンズフリー/アイズフリーのシステムは、運転しながら手軽に音声命令でテキストメッセージを入力したり、通話したり、「Facebook」に投稿したりできると謳っている。しかし、頭の中は運転以外のことにとらわれているため、反応速度は低下し、脳の働きが鈍ることが調査から分かった。視線は前方を向いているが、結局のところ停止信号や歩行者などを見落とすおそれがある。

 AAAによると、2018年にはこうした装置を搭載した新車台数は現在の5倍に増加する見通しだ。「将来、こうした車載技術が普及するとともに、公共安全の危機が次第に大きく迫ってくるようになる。今こそ、思考を紛らわせる危険性のある新たな車載システムの使用制限を考えるべきときだ」と、AAA会長兼最高経営責任者(CEO)のRobert L. Darbelnet氏は警鐘を鳴らしている。

 ハンズフリー/アイズフリーシステムに関しては、米Appleの音声アシスタント機能「Siri」を採用する自動車メーカーが増えている(関連記事:ホンダ、Appleの音声アシスタント「Siri」を一部車種に採用)。Appleによれば2014年までに16の自動車メーカーがSiri搭載システムに対応する予定という。

[発表資料へ]