英Vodafone Groupは現地時間2013年6月12日、ドイツのケーブルテレビ大手、Kabel Deutschland Holdingに買収を打診したことを明らかにした。声明で同社は「(当社の)Kabel Deutschlandへの提案に関する観測について認識している」としたうえで、「当社は初期段階の提案をした」と述べた。ただし、今後正式提案に進むかについては、現時点では確実なことは何もないとしている。

 英Reutersによると、VodafoneはKabel Deutschlandに72億ユーロ(96億ドル)を提示した。これはKabel Deutschlandの前の週の株価に10%を上乗せした提案。事情に詳しい関係者の話によると、Kabel Deutschlandはこの提案では価格が低すぎると考えているという。

 米New York TimesによるとKabel Deutschlandは約850万人の顧客を持つドイツで最大のケーブルテレビ事業者。同社の時価総額は71億ユーロ(94億ドル)。アナリストは、同社の買収には100億ドル以上を提示する必要があると見ているという。

 この買収が成立すれば、Vodafoneは急成長するドイツのゲーブルテレビの市場で事業を拡大することができる。Vodafoneの狙いは、固定電話、携帯電話、ケーブルテレビ、ブロードバンドを組み合わせたサービスの拡大。これらの事業拡大でVodafoneはドイツで首位のDeutsche Telekomに追いつこうとしているとNew York Timesは伝えている。

 ただし、先ごろ英ケーブルテレビVirgin Mediaを買収した、John Malone氏率いるLiberty Globalもドイツ市場に注力しており、Kabel Deutschlandの買収に名乗りを挙げる可能性があると同紙は伝えている。

[Vodafone Groupの発表資料]