コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)は2013年6月12日、パッケージソフトウエアの品質認証制度「PSQ認証制度」を運用開始する(写真1)。パッケージソフト開発者以外の第三者が同ソフトの品質を確認し、認証書を発行するものである。同日付けで申請の受付を開始し、8月27日に第1号の認証を発行する予定である。
PSQ認証制度は、CSAJが2010年から検討を進めてきたもの。ユーザーへの品質説明力の強化や、国際市場における日本のパッケージソフトへの品質評価の向上などを狙う。ソフトウェア製品の品質要求及び評価に関する国際規格「ISO/IEC 25051」に基づき、ソフトが製品説明(カタログなど)やマニュアル通りとなっているかなどを、同規格を基に評価する(写真2、写真3)。
IPA/SECの「ソフトウェア品質説明のための制度ガイドライン」を初適用
PSQ認証制度は、情報処理推進機構 ソフトウェア高信頼化センター(IPA/SEC)が同日に公開した「ソフトウェア品質説明のための制度ガイドライン」に準拠した初めての制度である。
ソフトウェア品質説明のための制度ガイドラインは、IPA/SECが2010年から検討を進めてきたもので、以前は「ソフトウェア品質監査制度」との名称で取り組んでいた。当初は自動車などの組み込みソフトウエアや重要インフラなどへの適用を想定していたが、最終的には「制度そのもの」ではなく、「各業界が品質関連の制度を設計しようとする際のガイドライン」という位置付けとなった。
PSQ認証制度では6社が評価機関に
CSAJのPSQ認証制度では、パッケージソフトのベンダーがCSAJに申請をし、CSAJが外部の独立した評価機関に同ソフトの評価を依頼する。ただし、評価機関が実物のパッケージを用いて再度、テストなどを実施すると膨大な費用が発生するため、基本的にはベンダーが実施したテスト結果を文書の形で評価する。認証に要する費用は、製品の規模により異なり、50万~100万円である。
CSAJは2013年5月に評価機関を公募し、6社が評価機関となった。エイネット、エス・キュー・シー、日本ナレッジ、富士通コンピュータテクノロジーズ、ベリサーブ、豆蔵である。CSAJが2013年5月に実施したアンケートによると、既に14社がPSQ認証制度の申請を希望しているという。