写真●Googleによる買収が決まったWazeのWebサイト
写真●Googleによる買収が決まったWazeのWebサイト
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 米Googleは現地時間2013年6月11日、イスラエルのWazeを買収したと発表した。買収後も当面独立した企業としてサービスを存続させる意向で、Googleは検索技術などでWazeの開発を手助けするという。

 買収金額については明らかにしていないが、米Wall Street Journal(WSJ)などの海外メディアによると10億ドル超。これはGoogleの時価総額の3%にも満たないため、Googleは買収金額を公表していないとWSJは伝えている。

 Wazeは2008年にイスラエルで設立された企業(当初の社名は「Linqmap」)。カーナビゲーションのモバイルアプリケーションを手がけている。同社は米カリフォルニア州パロアルトに事務所を持ち、Noam Bardin最高経営責任者(CEO)ら幹部が米国を中心に活動しているが、研究開発部門はイスラエルのテルアビブにあり、大半の従業員は同国で勤務している。

 同日Bardin CEOが投稿した公式ブログによると、Googleによる買収後もWazeの組織、サービス、ブランド、コミュニティは実質何も変わることがないという。「今後は成功に必要なリソースをGoogleから得てプロジェクトを進めていく」としている。

 一方GoogleのBrian McClendonジオプロダクト担当副社長は同社のブログで、「検索技術でWazeの機能強化を図るとともに、Wazeの交通情報更新機能などを導入し、Google Mapsの機能を高められることを楽しみにしている」と述べている。

 Wazeの買収をめぐっては、米FacebookもWazeと協議をしていたと伝えられていた。だが、イスラエルの経済紙GlobesによるとWazeとFacebookは買収金額や従業員の就労拠点に関する協議で合意に達しなかった(関連記事:Google、イスラエルのカーナビアプリ企業「Waze」の買収発表へ---海外メディア報道)。Wazeによると、同社サービスの利用者数は5000万人。サービス上に表示する位置情報ベースの広告が同社の収入源となっている。

[Google公式ブログへの投稿記事]
[Waze公式ブログへの投稿記事]