写真●「iOS 7」のイメージ
写真●「iOS 7」のイメージ
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 米Appleは現地時間2013年6月10日、モバイルOSの新版「iOS 7」を発表した。アイコンやカラーを変更し、細いフォント(書体)を採用するなどユーザーインタフェースを刷新した。「最初の『iPhone』以来、最も大幅なアップデート」だとしている。

 アイコンは平面的で見やすくなり、細いフォントは高精細ディスプレイ「Retina」上でくっきりと表示される。半透明やジェスチャー操作を多用するなど、スクリーン全体を有効活用するよう設計したという。同社工業デザイン担当上級バイスプレジデントのJonathan Ive氏は、「深遠で永続的な美は、簡素性、明瞭性、効率性の中にある」と説明している。

 「Control Center」は、画面の下方から上方にスワイプすることでいつでもアクセスできるようにした。飛行機モードやWi-Fi、Bluetooth、お休みモードなどのオン/オフを手軽に切り替えられる。

 強化した「Notification Center」は、ロック画面でもスワイプですぐに確認できる。今日一日の通知をまとめて閲覧することも可能。

 マルチタスキングはすべてのアプリケーションをサポートし、複数のアプリケーション間を手軽に移動可能。ユーザーが最も頻繁に使うアプリケーションを認識し、バックグラウンドでデータを最新の状態に維持する。

 カメラアプリケーションは、リアルタイムで加工できるフィルターを備え、動画と静止画撮影をすばやく切り替えできる。ビデオや写真を撮影時間および場所によって分類する「Moments」機能も追加した。

 「Safari」はフルスクリーン表示を強化し、より広範囲にコンテンツを閲覧できるようにした。ブックマークとタブの表示も変更した。パスワードやクレジットカード情報を保存する「iCloud Keychain」機能と連動する。

 「Siri」は男性と女性の声を用意。質問に対する回答に「Twitter」「Wikipedia」および米Microsoftの「Bing」からの情報も含めるようにした。新たにフランス語とドイツ語に対応し、他の言語も順次サポートする計画という。

 「AirDrop」機能を実装し、無線ネットワーク内でピアツーピアでデータをやりとりできる。

 さらに「Music」アプリケーションには、インターネットラジオサービス「iTunes Radio」を追加する。

 そのほか、新たなセキュリティ機能「Activation Lock」、「FaceTime」を介した音声通話機能、デバイス間の通知同期機能など多数の機能を備える。

 iOS 7は、ベータ版およびソフトウエア開発キット(SDK)を同日より開発者向けに提供する。一般向けリリースは今年の秋を予定している。「iPhone 4」以降、「iPad 2」以降、「iPad mini」および「iPod touch(第5世代)」のユーザーは無償でアップデートできる。

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