米Amazon.comは中国で現地時間2013年6月7日、タブレット端末「Kindle Fire HD」と電子書籍端末「Kindle Paperwhite」を発売した。価格はKindle Fire HDの16Gバイトモデルが1499元(約2万3900円)、同32Gバイトモデルが1799元(約2万8700円)、Kindle Paperwhiteは849元(約1万3500円)。中国向けWebサイトでは、地域によって即日配達も可能と案内している。

 これに先立つ5月にAmazon.comは中国で「Amazon Appstore for Android」を開始したばかり(関連記事:Amazon.com、アプリ配信「Appstore for Android」を世界約200カ国で展開へ)。

 同社が中国でネット通販を始めたのは2011年。電子書籍ストアを中国で始めたのは2012年12月、クラウドストレージサービスを始めたのは2013年に入ってからと、同社の中国進出は進展が遅いと指摘されていた。米Wall Street Journalによると、その間にAlibaba Group Holdingsなどの中国企業が勢力を拡大しており、Amazon.comは苦戦を強いられている。また英Reutersは先ごろ、中国におけるAmazon.comの消費者向けeコマースの市場シェアはわずか3%と伝えていた。

 Amazon.comは中国で展開する製品にKindleシリーズを加えることで、同国の消費者市場でシェア拡大を図りたい考え。ただ、同国では米Googleや米Appleなどの競合に加え、電子書籍やタブレットの分野で低価格の端末やアプリケーションストアを展開する企業が多くあり、Amazon.comは厳しい競争にさらされていると指摘されている。

[関連情報(Amazon中国サイト)]