台湾Sonostarは、2013年6月4日から8日まで台湾・台北で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2013」において、E Ink社の電子ペーパーを用いたスマートウォッチを出展した(写真1)。

 既存のスマートウォッチと同じく、iPhoneやAndroidとの連携が可能な腕時計型デバイスとなる。特徴は、一般的な液晶ディスプレイより省電力なE Ink製の電子ペーパーを採用する点。「液晶に比べて60%以上省電力。使い方にもよるが、5~7日間は使えるはず」(ブース担当者)という。また、液晶ディスプレイでは使用しない場合に画面をオフにするのが一般的だが、「電子ペーパーでは時計を常に表示できるため、腕時計と同じ感覚で利用できる」(同)とメリットを挙げた(写真2)。

写真1●台湾Sonostarのブース。ただし展示はモックアップ
写真1●台湾Sonostarのブース。ただし展示はモックアップ
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写真2●ディスプレイに電子ペーパーを採用、常に時計を表示する
写真2●ディスプレイに電子ペーパーを採用、常に時計を表示する
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 スマートウォッチ本体に3G通信などの機能はないが、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンに専用アプリをインストールすれば、Bluetoothによる通信が可能。スマートフォン側の3G/4GやWiFi通信機能を利用して、TwitterやFacebookからの通知を受け取ることもできる。

 スマートウォッチ本体には「アプリ一覧」や「戻る」などのボタンが用意されており、カーブを描いたディスプレイはタッチ操作にも対応する。スマートウォッチ単体で通話はできないが、スマートフォンへの着信時にスマートウォッチに通知、そこから「応答」や「拒否」といった操作ができる。他にもFacebookの通知に対して「いいね」を押したり(写真3)、SMSやメールの本文をスマートウォッチに表示したり、スマートフォンで再生中の音楽の曲送りやボリューム調整といったリモコンとしても活用できる。

写真3●Facebookの通知を受け取り「いいね」などのアクションが可能
写真3●Facebookの通知を受け取り「いいね」などのアクションが可能
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写真4●背面の専用端子からUSBケーブルを用いて充電する
写真4●背面の専用端子からUSBケーブルを用いて充電する
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 同じく電子ペーパーを採用するスマートウォッチである米Pebble Watchの製品が1.2インチ、144×168ドットのディスプレイを採用するのに対し、Sonostarの製品は1.73インチ、320×240ドットと大型の画面を採用している。また、バックライトが付いており、暗い場所でも太陽光下でも視認性が高いとしている。背面の専用端子からUSBケーブルを用いて充電する(写真4)。

 スマートウォッチ本体のOSはAndroidやLinuxではない独自OSで、サードパーティが自由にアプリを開発することはできないが、Sonostarでは継続的な機能追加を予定しているという。これまでSonostarはゴルフ用のGPS機器を手がけており、スマートウォッチ分野にはE Inkとの提携により初めて参入する。そのため、本スマートウォッチでもゴルフ関連アプリが充実している。他にもスポーツ向け機能として、ランニングやサイクリングでは距離計や速度計としても使用可能で、本体は防水仕様となっている。

 外形寸法は48.50×37.20×11.70mm、カラーはホワイトとブラックの2色。展示機はプロトタイプでまだ動作する実機はなかったが、価格は179米ドルで2013年第3四半期に発売する予定という。