写真●米Pure Storageでマーケティング&プロダクトマネージメント担当バイスプレジデントを務めるMatt Kixmoeller氏
写真●米Pure Storageでマーケティング&プロダクトマネージメント担当バイスプレジデントを務めるMatt Kixmoeller氏
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 東京エレクトロンデバイス(TED)は2013年6月7日、SAN接続型の外付けフラッシュメモリーストレージの新モデル「Pure Storage FlashArray FA-400シリーズ」を発表、同日販売を開始した。既存モデル「FA-300シリーズ」の性能を2倍に高めた上位モデルに当たり、1秒当たり40万件のI/Oを処理できる。価格(税別)は、最小構成で2100万円から。開発会社は、米Pure Storage。

 HDD(ハードディスク)互換のSSD(ソリッドステートドライブ)で構成した、SAN接続型のブロックストレージアレイである(関連記事:TED、SSD採用で容量単価を抑えたオールフラッシュストレージを販売)。一般的なHDD/SSD兼用のストレージアレイとは異なり、パリティデータの書き込みを抑制する独自のRAID構成など、SSDに特化したソフトウエアを搭載する。この上で、SSDのランダムI/O性能を生かしたインライン重複排除などの機能を提供する。

 ローレベルのフラッシュメモリーとの比較では、HDD互換の汎用品であるSSDを採用したことで、「フラッシュの性能と、ディスクアレイの拡張性/ソフトウエアを両立した」(同社、写真)としている(関連記事:フラッシュストレージの多くは今後2年でSSDベースに移行するだろう)。「コモディティーのハードウエアは放っておけば性能が上がる。ソフトウエアで勝負する」(同社)。一方、SSDを使うことのデメリットは、スペース効率(容量の集積度)が悪くなることである。

 製品の構成要素は、サーバーとSAN(Fibre ChannelまたはiSCSI)で接続するコントローラー装置(2Uラックマウント)と、コントローラーからSASで接続するストレージシェルフ(2Uラックマウント)の二つ。ストレージシェルフには、2.5インチのSAS/SATA接続型SSD(MLCタイプ、容量は256Gバイト)を24個搭載する。コントローラーは最大2台まで拡張できる。シェルフは標準で2台(SSD×48個、物理容量で11Tバイト)まで拡張できる。

コントローラーのIOPSを倍増、拡張シェルフも利用可能に

 新モデルのFA-400シリーズは、コントローラーの上位モデルである。性能は、下位モデルのFA-300が4Kバイトブロックで20万I/O毎秒、バンド幅が1.5Gビット/秒であるのに対して、FA-400では8Kバイトブロックで40万I/O毎秒、バンド幅5Gビット/秒と、ほぼ2倍の性能を持つ。シェルフ(SSD)はそのままでコントローラーをFA-300からFA-400に置き換えるだけで、ストレージのアクセス性能が2倍になるという。

 FA-400シリーズではまた、ストレージ容量を物理容量で11Tバイトから23Tバイトへと倍増させる拡張専用シェルフ(2Uラックマウント)を用意した。標準シェルフ2台(256GバイトSSD×48個)に加えて、拡張専用シェルフ1台(512GバイトSSD×24個)を追加できる。なお、拡張シェルフはFA-400専用であり、FA-300では利用できない。

ソフトウエアもバージョンアップ、コントローラーの無停止交換が可能に

 FA-400シリーズの提供に合わせて、FA-300シリーズとFA-400シリーズに共通するコントローラーのソフトウエアも「Purity 3.0」へとバージョンアップした。新版では可用性を高め、コントローラーの故障時やアップグレード時に、ストレージを稼働させたままコントローラーだけを入れ替えられるようにした。

 具体的には、2台のコントローラーをアクティブ・アクティブ構成で運用している最中に、1台のコントローラーを新たなコントローラーと置き換えることができる。ここで、残っているもう1台のコントローラーを新たなコントローラーと置き換えることで、2台のコントローラーを置き換えることができる。

 ソフトウエアの新版ではまた、データ暗号化(AES 256)の追加や、スナップショット機能の強化(VMware VAAI xCopyコマンドによるVMのクローニングなど)、OpenStackのブロックストレージ管理機能「Cinder」から制御するためのドライバーの提供、などを行っている。