米国家安全保障局(NSA)が米Verizonからサービス加入者の通話記録を収集していたことが、英紙Guardianが入手した極秘の裁判所命令から明らかになった。

 Guardianのオンライン版に現地時間2013年6月6日に掲載された記事によると、この極秘命令は、Verizonに対して国内および国際通話に関するすべての情報を、継続的に毎日NSAに提出するよう要請している。外国情報監視裁判所(FISC)が4月25日に発行したもので、7月19日までの3カ月間にデータを収集する無制限の権限を政府に認めている。同命令のもと、通話者双方の電話番号、位置情報、通話時間といった情報が引き渡されたが、会話の内容は含まれていないと、Guardianは報じている。

 George Bush元米大統領の政権下ではNSAによる大規模な通話記録収集の情報を政府高官が記者に開示したことがあったが、現在のBarack Obama大統領政権で大規模かつ継続的な記録収集の実施を示す極秘書類が漏えいしたのはこれが初めてとなる。

 この報道を受け、元米副大統領のAl Gore氏は「Twitter」に自身のアカウントから「胸が悪くなるほど許しがたいこと」とつぶやいている。また米電子フロンティア財団(EFF)は「米国議会と米国民は、政府のスパイ行為について大統領に真実を語らせるべきだ」とのコメントを発表した。

 Guardianは入手した極秘文書をWeb上に公開している。