米Appleがまもなく米国でiPhoneの下取りプログラムを本格化すると、複数の海外メディアが米Bloombergの記事を引用する形で伝えた。Appleはこのプログラムを通じて、新製品市場投入前の販売減速期にiPhone 5の販売促進を図るという。

 Bloombergの現地時間2013年6月6日付の記事によるとAppleは、米AT&Tや米T-Mobile USAなどの通信事業者の下取りプログラムを手がけている米Brightstarの協力を得る。

 現在AT&Tが実施している下取りプログラムは、iPhone 4やiPhone 4Sを200ドルで引き取り、顧客はiPhone 5の最安モデルを頭金なしで購入できるというもの。Appleも同様のプログラムを実施し、iPhone 5への買い替えを促すという。Appleはこのプログラムを6月中にも始める予定とBloombergは伝えている。

 BloombergによるとAppleはこれまで中古スマートフォンの市場にあまり注目してこなかった。だが成熟市場の米国ではすでに多くの人がスマートフォンを所有しており、かつてのような大きな成長は見込めない。これに対しスマートフォンがまだあまり普及していない新興国市場では、Appleの市場シェアは低く、その一方でiPhone 4やiPhone 4Sなど安価で販売される旧モデルへの需要は高い。

 AppleがBrightstarの協力を得て始めるプログラムは、買い取りは米国で行うが、中古品の販売は米国では行わず、新興国市場で行う。こうした方法で米国でのiPhone 5の販売低下を防ぐという。

 なおAppleはこれまで、自社サイトでiPhoneやiPad、Macを対象にした下取りプログラムを実施してきたが、新たなプログラムはAppleの直営店舗で始めるという。これにより顧客は中古品を発送する必要がなく、その場で支払いを受けられるとBloombergは伝えている。