NECフィールディングは2013年6月6日、中小規模の事業者向けに、外出先のAndroid端末から社内のWindowsデスクトップをリモート操作できるようにするシステムを構築するサービス「スマートデバイス向けリモートアクセスソリューション」を発表、同日販売を開始した。製品一式(サーバー機、ミドルウエア、ネットワーク機器)とシステム導入/保守サービスをセットで提供する。販売目標は今後3年間で3億円。
Android端末からWindowsをシンクライアント(画面情報端末)プロトコルでリモート操作するためのシステム一式を導入するSIサービスである。特徴は、導入サービスでありながら、中小企業が利用しやすいように、サービス費用の総額と内訳を細かく明記していること。サービス費用の総額には、Adnroid端末を除くシステム製品(VPNルーター機器や、Android用のシンクライアントソフトなど)の購入費用が含まれている。
想定する社員規模に応じて、アーキテクチャーが異なる二つのシステム形態を用意した。想定人数と価格(税別)は、以下の通り。(1)「スマートデバイス向けリモートデスクトップシステム環境構築サービス」は、Android端末20台以下の小規模に向く。価格は社員5人分の構成で49万6000円。(2)「デスクトップ仮想化ソリューションパック連携リモートアクセスソリューション」は、Android端末20~100台の中規模に向く。価格は社員20人分の構成で594万6000円。
(1)のスマートデバイス向けリモートデスクトップシステム環境構築サービスでは、インターネットVPNを介して社内LANに接続し、Android端末から個々の社員のWindowsデスクトップ機のIPアドレスを指定して直接接続する。シンクライアントソフトとして、NECシステムテクノロジーが開発したRDP(Remote Desktop Protocol)クライアント「スマートデバイス向けリモートデスクトップ」(写真)をAndroidにインストールして使う。
構成要素 | 価格(税別) |
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●機器費用 | |
シンクライアントソフト(5ライセンス) | 2万5000円 |
VPNルーター「Dell SonicWALL SRA 1600」(5ユーザー) | 22万8000円 |
VPNルーターのサポート費用(1年間) | 3万8000円 |
●設計作業費/現地調整作業 | |
ネットワーク基本設計・構築費 | 4万円 |
VPNルーターのコンフィグ設計 | 10万円 |
VPNルーターの現地調整作業 | 5万円 |
シンクライアントソフトのインストール(5台) | 1万5000円 |
●合計 | 49万6000円 |
(2)のデスクトップ仮想化ソリューションパック連携リモートアクセスソリューションでは、VPNルーターやRDPクライアントソフトのほかに、NECのデスクトップ仮想化(VDI)ソフト「VirtualPCCenter」(VPCC)を導入する。サーバー仮想化ソフトであるHyper-Vの上に仮想マシン型のWindows 7デスクトップ機を展開し、これらを社外のAndroid端末からリモート操作する。ユーザーとWindowsデスクトップ機をひも付けて管理するデスクトップブローカー機能も含まれる。
構成要素 | 価格(税別) |
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●機器費用 | |
シンクライアントソフト(20ライセンス) | 10万円 |
VPNルーター「Dell SonicWALL SRA 1600」(25ユーザー) | 32万円 |
VPNルーターのサポート費用(1年間) | 9万6000円 |
VDIソフトとVDI環境への移行サービス(20ユーザー) | 498万円 |
●設計作業費/現地調整作業 | |
ネットワーク基本設計・構築費 | 12万円 |
VPNルーターのコンフィグ設計 | 20万円 |
VPNルーターの現地調整作業 | 7万円 |
シンクライアントソフトのインストール(20台) | 6万円 |
●合計 | 594万6000円 |
なお、(1)と(2)で共通して利用するAndroid端末向けのRDPクライアントソフトであるスマートデバイス向けリモートデスクトップは、商用製品である(単体価格は、1ライセンス当たり5000円)。特徴は、アプリケーション画面が見えたまま操作できる透明キーボードを備えることや、拡大/縮小のための専用ボタンを備えることなど。ExcelやPowerPointをWindowsノートPC並みの操作性で利用できるとしている。