NECネッツエスアイは2013年6月6日、コンタクトセンター事業者のキューアンドエーを子会社化すると発表した。6月7日にキューアンドエーの株主15社から株式を購入し、従来22%だった出資比率を56%に引き上げる。同時にNECネッツエスアイの子会社だったコンタクトセンター事業者の第一アドシステムの株式をキューアンドエーに売却して、第一アドシステムをキューアンドエーの子会社とする。

 売上高はキューアンドエーが約100億円、第一アドシステムが約30億円。キューアンドエーの子会社化によって、NECネッツエスアイグループはコンタクトセンターの構築から運営を垂直統合する形になる。中村哲治執行役員常務は「NECネッツエスアイ、キューアンドエー、第一アドシステムのトータルで数十億円規模のシナジー効果を生むことを目指している」と言う。

 NECネッツエスアイは、キューアンドエーからコンタクトセンターの運営ノウハウを得たい考え。キューアンドエーはNTT東日本などを中心に、テクニカル・コンタクトセンターや訪問サポート事業を請け負っている。こうしたノウハウをNECネッツエスアイの事業に応用して、サポート対象をネットワーク機器からパソコンにまで広げていく。ヘルプデスクのフルアウトソーシングを手掛ける計画だ。

 一方、キューアンドエーは第一アドシステムを傘下に収めることで、販売促進施策の企画・運用といったリレーションシップ・マーケティング事業を拡大する。同時にキューアンドエー、第一アドシステムのコンタクトセンター基盤を、NECネッツエスアイが構築するクラウドサービスに統合する。2013年度に既存システムを整理し、2014年度にシステム統合を完了する予定だ。

 キューアンドエーや第一アドシステムが使うコンタクトセンター基盤は、NECネッツエスアイの商品として2014年度下期から外販も進めていく。クラウドサービスとオンプレミスシステムの両方の形態を用意する見通しだ。