写真1●テストエースの画面(設定画面)
写真1●テストエースの画面(設定画面)
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写真2●テストエースの画面(メイン画面)
写真2●テストエースの画面(メイン画面)
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 システムエグゼは2013年6月5日、業務システムの本番環境データベースからテストデータを自動生成するツール「テストエース」(写真1写真2)を発表、同日出荷した。本番環境と同等のリアルなデータを、個人情報を秘匿化して安全に利用できるようにする。データ変換対象のデータベースは、Oracle Database。価格(税別、以下同)は200万円から。

 テストエースは、アプリケーション開発用のテストデータを作成するためのツール。最大の特徴は、本番環境のデータベースからデータを抽出し、これをそのまま使いながらも、個人情報を秘匿化した安全なテストデータを自動生成することである。Oracle Databaseにアクセスしてデータを抽出/変換し、これをテスト環境のOracle Databaseに直接ロードできる。CVS/TVS(カンマ区切り/タブ区切り)テキストとして出力することも可能だ。

データを解析して個人情報を自動的に検知

 個人情報として、氏名、住所、電話番号、電子メールが入ったカラムを自動的に検知できる。これらは、ツールが自動的に解析して検知する。さらに、ユーザーが変換対象となる任意のカラムを指定できる。これにより、個人情報としてプリセットされていない会員カード番号などを変換の対象にできる。

 データの変換ルールは、検知した個人情報の種類に応じて替わる。任意の変換ルールをJavaScriptでコーディングして定義できるほか、あらかじめ、よく使う変換ルールを用意している。例えば、「4文字目から7文字目までを「*」(アスタリスク)に変換」「1文字目と3文字目を入れ替え」「先頭の文字を『森』に変更」「数値をランダムに変換」といった具合である。

本番環境に近い疑似データを生成

 本番データに類似した擬似データを生成できるように、データ変換時にはいくつかの工夫を凝らしている。例えば、氏名と読み仮名のカラムがあるとき、データ変換後の漢字表記の読みを考慮したカナ表記を設定できる。また、変換後の住所において、郵便番号と住所を矛盾なく一致させることができる。また、複数テーブル間のリレーション(カラムとカラムのひも付け)を維持できる。

 このテストエースは、既存ソフト「DBエース データマスキングエディション」(150万円から)の機能上位版に当たる。機能強化点は、複数テーブル間のリレーション情報を手動で指定する必要がなくなったことや、データ変換ルールをJavaScriptで作成できるようにしたことなどである。

 稼働OSは、Windows Server 2003/2008。接続可能なデータベースはOracle Database。データ変換設定はGUIで実施できる。ツールの起動は、GUIのほかにCUIコマンドを用意しているので、バッチファイルなどを使ったバッチ処理も可能である。