BCM4390を組み込んだ機器のサンプル
BCM4390を組み込んだ機器のサンプル
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BCM4390のSDKモジュール(赤色の基板)
BCM4390のSDKモジュール(赤色の基板)
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WICEDで当初想定している適用先
WICEDで当初想定している適用先
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 米Broadcom社はIT関連の展示会「COMPUTEX TAIPEI 2013」(2013年6月4~8日、台湾・台北市)において、組み込み機器向けの無線LANチップ「BCM4390」を展示した。「2020年に300億台に達する」(Broadcom社)と想定される、インターネットに接続された超小型の機器に向けた製品だ。まずは「Home Appliance」「Health and Wellness」「Home Security and Automation」「Games and Entertainment」に向けるという。

 BCM4390は1ストリームのIEEE802.11nに対応している。対応周波数は2.4GHz帯のみ。パワーアンプ(PA)やローノイズ・アンプ(LNA)などのRFのフロントエンド部や8ビットと16ビットのマイコンをワンチップに統合しているのが特徴(PAやLNAは長距離用途で外付けにすることも可能)。マイコン上には小型機器用の簡易なアプリケーションを構築できる。外部機器やセンサとの接続用にSDIOやSPI、I2C、UART、I2Sのインタフェースを持つ。サポートする電圧レンジは2.3~5.5Vである。

 既に特定の顧客に対しては、BCM4390を組み込んだ評価用ボード、サンプル・プログラムをパッケージにした評価キットの形で配布を始めているという。2013年第4四半期に大量生産を開始する計画だ。

 今後、組込み用を特徴とするチップに対しては「WICED(Wireless Internet Connectivity for Embedded Devices)」というブランド名で展開を図る。無線LANの場合は「WICED WI-FI」と呼ぶ。無線LAN以外にも、Bluetooth Smart(以前は、Bluetooth Low Energyと呼んでいた)に対応したチップも並行してWICEDブランドで販売していく。こちらは「WICED SMART」と呼ぶ。「Bluetooth Smartはスマートフォンの組み合わせ、無線LANは既存のアクセス・ポイントの組み合わせという具合に目的や用途に応じて使い分けが進む」(Broadcom社)という。