基調講演に登壇したKilroy氏
基調講演に登壇したKilroy氏
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2011年は「Ultrabook」、2013年は「2-in-1 Devices」
2011年は「Ultrabook」、2013年は「2-in-1 Devices」
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ノート・パソコンとタブレット端末の良さを併せ持つ
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第4世代Coreプロセサを搭載した2-in-1デバイスを紹介
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22nm版Atomも2-in-1デバイスに搭載へ
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22nm版Atomを搭載したタブレット端末を披露
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スマートフォン向け22nm版Atomにも言及
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 「Intel社は2011年にこの場で『Ultrabook』を提唱し、パソコンを“再発明”した。今回、我々が新たに提唱するパソコンの姿、それが“2-in-1デバイス”だ」――。米Intel社, Executive Vice President, General Manager, Sales and Marketing GroupのTom Kilroy氏は2013年6月4日、「COMPUTEX TAIPEI 2013」(2013年6月4~8日、台湾・台北市)の基調講演に登壇し、同社が「2-in-1デバイス」と呼ぶ、ノート・パソコンとタブレット端末の一体型端末が今後のパソコン市場の主役を担うとの展望を示した。講演ではこの端末に向けるプロセサの新製品として、第4世代Coreプロセサと22nm版Atomプロセサを紹介した。

 Kilroy氏は冒頭、「かつてのパソコンの経時変化はマーチ(行進)のようだったが、最近ではスプリント(競争)に変わった」と語り、パソコンのフォームファクタ(形状)やディスプレイ寸法、OSなどがここ数年で著しく変化していることを指摘した。その上で「タブレット端末のように軽く、しかもノート・パソコン並みの処理性能を備える“2-in-1デバイス”こそが、消費者が真に求める端末だ」とした。

 2-in-1デバイスに向けて同社が今回発表したのが、第4世代Coreプロセサ(開発コード名:Haswell)である。第3世代Coreプロセサ(開発コード名:Ivy Bridge)に適用した22nm世代のプロセス技術を踏襲しつつ、マイクロアーキテクチャを刷新した。従来比1.5倍の電池駆動時間や同2倍のグラフィックス性能を実現している。

 第4世代Coreプロセサに劣らず説明に時間を割き、注力ぶりをアピールしたのが、22nm版Atomプロセサ(開発コード名:Bay Trail)である。Intel社は2012年5月に、同プロセサに搭載するCPUコア「Silvermont」の内部構造を明らかにしたばかり。Silvermontでは、22nm技術の導入によって従来比3倍のピーク性能、または従来比1/5の消費電力を実現できるという。

 講演ではBay Trailを搭載したエントリ・レベルの2-in-1デバイスが「2013年10~12月に(最低価格)399米ドルで市場投入される」(Kilroy氏)ことを明らかにした。同様に、Bay Trailを搭載したタブレット端末も2013年内に市場投入される見通しである。

 この他、スマートフォン向けの22nm版Atomプロセサ(開発コード名:Merrifield)に関して、同プロセサを搭載したスマートフォンが2014年第1四半期に端末メーカーから発表されるとの見通しを明らかにした。

 これらの主役級の発表とともに注目を集めたのは、同社がBay Trailを搭載するタブレット端末を紹介するに当たり、マルチモードのLTEモデム(ベースバンドLSI)を併せて提供する計画を明らかにしたこと。同社は2011年にドイツInfineon Technologies社のベースバンドLSI部門を買収しており、その具体的な成果となりそうだ。