米インテルは2013年6月4日、これまで「Haswell」(ハスウェル)の開発コード名で呼んでいた第4世代Coreプロセッサーを正式に発表した。製造プロセスは現行品のCore i-3000シリーズ(開発コード名はIvy Bridge)と同じ22nm。CPUコアとCPUに内蔵するグラフィックス機能を強化し、従来以上に省電力化に力を入れた。同時に発表した新チップセット「Intel 8」シリーズと組み合わせて使う。

デスクトップパソコン向け第4世代Coreプロセッサー
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 第4世代Coreの構造はCore i-3000シリーズと同じ。最大4個のCPUコアとグラフィックス機能、共有3次キャッシュ、デュアルチャンネルDDR3/DDR3L-1600対応のメモリーコントローラーやPCI Express 3.0のコントローラーなどを1個のダイ(半導体本体)に統合している。チップセット(PCH:Platform Controller Hub)とは、インテル独自のDMI(Direct Media Interface)で接続する。ダイサイズは177平方ミリメートル、トランジスター数は14億。

第4世代Coreの内部構造。前世代のIvy Bridge(開発コード名)と構成自体はほとんど同じだ。インテルの資料から抜粋した
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 CPUのマイクロアーキテクチャーは、完全な新設計ではなく、前世代の拡張版だ。CPU内部の命令発行部を増やしたり、データの伝送路を高速化したりと変更点は多岐にわたる。データ処理の効率を上げる新命令「AVX2」も実装した。

 第4世代Coreでは、内蔵グラフィックスの強化もポイントの一つ。描画に使う「シェーダー」を増やして性能を引き上げたバージョンをラインアップに加えた。インテルはこれに「Iris」(アイリス)という新しいブランド名を付けて性能の高さを訴求する。フルHDの縦横約2倍のドット数がある4K解像度への出力にも対応し、動画支援機能「クイック・シンク・ビデオ」も高速化した。

●第4世代Coreのグラフィックス機能
名称インテル内部の呼び名
Iris Pro グラフィックス 5200GT3e
Iris グラフィックス 5100GT3(TDP28WのCPU)
HD グラフィックス 5000GT3(TDP15WのCPU)
HD グラフィックス 4600/4400/4200GT2
HD グラフィックスGT1

第4世代Coreのグラフィックスの強化点。横が約4000ドットのいわゆる「4K」解像度への出力にも対応する
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