米IBMは2013年6月4日(米国時間)、米国の大手IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)事業者であるソフトレイヤーを買収すると発表した。金額は明らかにしていない。買収は2013年第3四半期までに完了する見込みで、IBMは同社の既存クラウド事業とソフトレイヤーの事業を統合した新しい「クラウド・サービス・ディビジョン」を設ける。

 ソフトレイヤーは、2万1000社の顧客を抱えるIaaS事業者で、米国やシンガポール、オランダで合計13カ所のデータセンターを運営している。マルチテナント方式の仮想マシンサービスのほか、ユーザー企業専用の物理サーバーを貸し出すサービス、オブジェクトストレージのサービスなどを提供している。IBMによる買収後も、ソフトレイヤーのサービスは継続する。

 IBMは2015年までに、クラウド事業の売上高を70億ドルにまで拡大する計画だ。既に100種類を越えるSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を提供しているほか、パブリッククラウドのIaaSである「IBM SmartCloud(日本での名称はIBM SmarterCloud)」を提供するが、顧客の中心は、既存のエンタープライズ顧客だった。モバイルゲーム事業者など新興企業の顧客が多いソフトレイヤーを買収することで、クラウドサービスの顧客層を拡張する。