電通国際情報サービス(ISID)は2013年6月4日、ソニー生命保険の新会計システムを構築し、4月から稼働させていることを発表した。会計報告業務の効率化や経営管理の強化につなげていくのが狙い。ERPパッケージの「Oracle E-Business Suite」(Oracle EBS)を中核に、ISID独自のテンプレートを組み合わせて開発した。コンサルティングやテスト運用なども含めて導入に約1年かかったとみられる。

 ソニー生命保険は、米国や日本基準、さらに生命保険業界に特有の「区分経理」と呼ぶ処理方法に従って会計報告している。これまでは、会計システムから出力したデータから外部システムや表計算ソフトなどで報告書を作成していた。会計基準が異なるため、業務処理に時間がかかっていたという。データの出力タイミングやデータ抽出方法の制限もなくし、迅速に経営判断できる仕組みも求めていた。

 そこでOracle EBSにISIDの決算処理テンプレートを導入。追加開発なしで日米会計基準と区分経理の処理に対応させた。ISIDの連携モジュールなども活用し、経費システムなど周辺システムとのデータ連携のほか、リアルタイムによるデータ照会・抽出もできるようにした。報告書の自動作成や会計処理の即時チェックが可能になったため、決算業務の効率化にもつながるという。