米Appleの「iPad」は世界のタブレット端末市場で今も高いシェアを保っている。だが低価格のAndroid端末が急速に伸びており、iPadの出荷台数はまもなくAndroid搭載タブレットに抜かれる――。こうした分析結果を米ABI Researchが現地時間2013年5月30日に公表した。

 同社によると2013年第1四半期(1~3月)の世界タブレット端末市場におけるiPadの出荷台数シェアは50%だった。だが中国などの市場では7インチクラスのAndroidタブレットが人気を集めている。「まだしばらくは1社でAppleの市場支配に挑めるメーカーは現れそうにもないが、Android端末がiOS端末を追い抜くことは避けられないだろう」とシニアプラクティスディレクターのJeff Orr氏は述べている。

 同社によると、中国ではAppleブランドへの人気が根強く、高価な機器を購入できる層も増えている。だが9.7型iPadとの真っ向勝負を避けたメーカー各社が、7インチ型を相次ぎ市場投入し端末の低価格化が始まった。これにより人々の関心が価値や値ごろ感といった方向に変化しているという。

 同社の推計によるとAppleでも7.9型の「iPad mini」が売れており、まもなく台数ベースで9.7型を追い抜く見通し。同社によるとAppleでは第1四半期に、iPadシリーズ全体に占めるiPad miniの台数シェアが49%に、売上高シェアが39%に達した。第2四半期以降はこれらの割合がさらに高まるとABI Researchは予測している。

 なお別の調査会社である米IDCは先ごろ公表した調査リポートで、世界のタブレット市場で2011年に27%だった8インチ未満の出荷台数比率は、2013年に55%に、2017年には57%に拡大すると予測している。

[ABI Researchの発表資料]
[IDCの発表資料]