日本民間放送連盟(民放連)の会長である井上弘氏(TBSテレビ代表取締役会長)は2013年5月29日の会見において、日本放送協会(NHK)が検討課題としている放送番組のインターネット同時再送信についてコメントした。

 井上氏は2012年3月の会見では、「インターネットを活用しないでほしいと言うつもりはないが、インターネット同時再送信はやめてほしい」「仮にNHKの番組がインターネット経由で全国に配信されることになった場合、地方局の経営がかなり圧迫されるのではないか」という見方を示している(関連記事へ)。

 今回の会見では、「この問題についてはNHKの受信料制度でどう扱うかという問題があるし、民放側には地方局の問題がある」としたうえで、「この問題に後ろ向きというわけではない。我々としては、何が何でも嫌だ、というわけではない」と述べた。地方局の経営に対する影響については、「民放局の系列ネットワークにおける問題は、どこかのタイミングで考えていかなければならない」とした。

 約1年前の姿勢を軟化させたのか、という内容の質問に対しては、「NHKの番組がインターネットでどんどん出るのは、民放局にとって厳しい。ローカル局にとってはなおさらで、NHKのインターネット同時再送信は簡単にはいかないだろう」とした。