写真1●丸の内線東京駅ホーム端に設置された指向性アンテナ。一方はトンネル、他方はホーム中央に向いている
写真1●丸の内線東京駅ホーム端に設置された指向性アンテナ。一方はトンネル、他方はホーム中央に向いている
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写真2●丸ノ内線改札内に設置された無指向性アンテナ。中央より少し右上に写っているのが無指向性アンテナである
写真2●丸ノ内線改札内に設置された無指向性アンテナ。中央より少し右上に写っているのが無指向性アンテナである
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図1●東京メトロの駅に設置されたWiMAX設備のおよその構成
図1●東京メトロの駅に設置されたWiMAX設備のおよその構成
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 UQコミュニケーションズは2013年5月28日、同日に駅間トンネルを含む東京メトロの全線でWiMAXサービスが利用できるようになったことを受け(関連記事)、駅構内に設置した無線設備のメディア向け見学会を開催した。丸ノ内線東京駅のホームおよび改札に設置した無線設備について説明した。

 東京メトロのトンネル区間では、ホームの端に設置した指向性アンテナからトンネル方向へ電波を出してエリアにする手法を採用した。携帯電話事業者は漏洩同軸ケーブルを用いる同じ手法を用いているが、UQの場合は設備やシステム、周波数帯の違い(WiMAXは携帯電話より高い2.5GHz帯を使用)があり、一緒にすると効率的ではないため単独で設備を打っている。トンネル内で高低差や曲線があるところでは、一部電波が入りにくかったり入らなかったりすることがある。この点は、ユーザーの様子などを見て対応を考える。

 写真1は、丸ノ内線東京駅のホーム端に設置された指向性アンテナ。2個のアンテナがトンネルとホーム中央に向けて電波を出している。それぞれ約500mをカバーするという。同駅のホームには、3カ所5個のアンテナが設置されている。写真1のタイプのものが2カ所と、トンネルだけに向けたものが1カ所である。写真2は、改札内に設置された無指向性アンテナで、カバー範囲は半径約200m。UQは東京メトロに、これらのアンテナを約500個設置したとのこと(写真1の指向性アンテナは2個に換算)。アンテナよりも上流については、アンテナの近くに無線機とONUがあり、その上位に主装置(光集線装置)があるという構成になっている(図1)。

 地下鉄他社のエリア化状況も説明した。仙台市地下鉄、都営地下鉄、横浜市営地下鉄、みなとみらい線、福岡市地下鉄は全線エリア化が完了。札幌市営地下鉄と大阪市営地下鉄は2013年度に全線を予定。名古屋市営地下鉄と京都市営地下鉄は、現在エリア化を進めている段階だという。