米IDCが現地時間2013年5月28日に公表した世界パソコン市場に関する調査によると、2013年のパソコン出荷台数は前年比7.8%減の3億2190万台にとなる見通し。

 IDCは3月初旬に公表した予測で2013年の出荷台数が前年比で1.3%減少し、その後緩やかに回復すると見ていた(関連記事)。だが、同年第1四半期(1~3月)に出荷台数は大幅に減少した。一方でメーカー各社がWindows 8に最適化した薄型、コンバーチブル型、タッチスクリーン、タブレット型といった製品に移行しており、こうしたパソコンデザインの変化の流れを考慮し、予測を下方修正した。これにより2014年の出荷台数は前年比1.2%減になるとIDCは予測している。また2017年の出荷台数は3億3340万台にとどまり、2012年の3億4920万台や、ピークだった2011年の約3億6300万台を下回る見通し。

 「Webへのアクセスや、ソーシャルメディアの利用、電子メールの送受信、アプリケーションの利用などの際、それほど大きなコンピューティングパワーやローカルストレージの容量を必要としないことに多くのユーザーが気づき始めた」とIDC、Worldwide Quarterly PC Tracker部門のLoren Loverde氏は述べている。一方でユーザーはバッテリーの持ち時間が長い小型機器からのアクセス、インスタントオン機能、直感的なタッチ操作という点を重視するようになったという。

 同氏によると、これらのユーザーは従来型パソコンを必要としないわけではないが、その利用時間は減っている。またパソコンが必要の際は、現在所有している旧モデルで間に合わせるようになっているという。

 IDCはWindows XPのサポートが切れることから2014年は法人市場で一定の買い替え需要があると見ている。だが、これまでのところ大規模なアップグレードプロジェクトではなく、個々のシステムの買い替えにとどまっているという。

 低価格化がきっかけとなる新規パソコンの購入や、デスクトップからノートパソコンへの移行は、かつてほど市場の成長に寄与しなくなったとIDCは指摘している。このほかBYOD(私物デバイス活用)は、スマートフォンからタブレットやパソコンへと移行しており、こちらも企業で新規パソコンの購入が抑えられる要因になっていると同社は分析している。

[IDCの発表資料]