写真●米ガートナー リサーチ リサーチ ディレクターのガレス・ハーシェル氏
写真●米ガートナー リサーチ リサーチ ディレクターのガレス・ハーシェル氏
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 「もはやクラウドはすべてのものを接続している。顧客との関係もクラウドの中にある。それがソーシャルネットワーキングということ。クラウドとソーシャルを前提として、きちんとしたCRM(顧客関係管理)の企業戦略を打ち立てるべきだ」---。

 ガートナー ジャパンが2013年5月27日~28日に都内で開催したイベント「ビジネス・インテリジェンス&情報活用 サミット 2013」で、米ガートナー リサーチ リサーチ ディレクターのガレス・ハーシェル氏(写真)は、「2020年までのトップ・トレンド」と題した基調講演に登壇。クラウドコンピューティングやソーシャルネットワーキングの登場でCRMがどのように変わってきて、今後どのように変わっていくのかを概観した。

 ハーシェル氏は、CRMにとって2020年までに気を付けなければいけない大事なトレンドとして10項目を挙げた。(1)経済、(2)グローバル化、(3)セルフサービス、(4)カスタマーエクスペリエンス、(5)クラウド、(6)ソーシャル、(7)モバイル、(8)ビッグデータとアナリティクス(インフォメーション)、(9)モノのインターネット、(10)プライバシー保護規制---である。

 このうち(5)から(8)は、ガートナーが「Nexus of Forces」(ネクサス・オブ・フォース、力の結節)と呼び、新しい時代の流れとして最重要視しているトレンド。ハーシェル氏はこのNexus of Forcesを軸にして、CRMがどのように変わっていくかを解説した(関連記事:テクノロジープラットフォームの新しい流れ、それが「Nexus of Forces」だ)。

 特にハーシェル氏が重点を置いたのはソーシャルだ。というのも、ソーシャルネットワーキングが企業と顧客の関係を変えてしまったからである。